ゲーミングヘッドセット市場では、近年「FPS特化型」や「eスポーツ仕様」といった“フラットで繊細な音の定位感”を重視するモデルが主流となりつつあります。
しかし、それらは迫力や臨場感に欠けると感じるユーザーも少なくありません。
そんな中、CORSAIR(コルセア)がリリースした「VOID WIRELESS v2」は、いわゆる“ドンシャリ系”と呼ばれる低音と高音が強調されたサウンドバランスを持ち、ゲーム以外の用途でも満足できるヘッドセットとして注目を集めています。
「VOID WIRELESS v2」は、ミドルレンジに位置する約17,000円前後の価格帯で提供されており、70時間の長寿命バッテリーや布製イヤーパッドによる高い通気性、さらにRGBライティングといった視覚的な演出も備えた、いわば“実用性と個性を兼ね備えた”一台です。
また、Bluetooth接続にも対応し、PCゲームだけでなくスマートフォンでの音楽再生や動画視聴にも柔軟に使える汎用性の高さも魅力のひとつ。
FPSや格闘ゲーム、映画鑑賞まで幅広いジャンルに対応しつつ、イコライザー設定で音の傾向を自分好みに調整することも可能です。
この記事では、そんなCORSAIR 「VOID WIRELESS v2」の実力を、デザインや装着感から、音質やマイク性能、ソフトウェア機能まで多角的に検証し、「どんな人にこのヘッドセットが適しているのか」まで詳しくご紹介していきます。
今のヘッドセットに物足りなさを感じている方や、没入感を求める方にはぜひ参考にしていただきたい内容です。

CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」の基本情報

製品スペックと価格帯の概要
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」は、ワイヤレス接続とBluetoothに両対応した多機能型のゲーミングヘッドセットです。
価格は税込17,980円前後と、ミドルレンジ帯に位置しており、価格に対する機能性の高さが魅力とされています。
以下に主なスペックをまとめます:
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | ワイヤレス/Bluetooth 両対応ヘッドセット |
価格帯(参考) | 約17,000円 |
重量 | 約303g |
バッテリー持続時間 | 最大約70時間(RGBオフ時) |
ドライバーサイズ | 50mm ネオジムドライバー |
マイク形式 | 一体型・ブーム型・ノイズキャンセリング対応 |
充電方式 | USB Type-C |
対応ソフトウェア | CORSAIR iCUE |
この価格帯でBluetooth接続・長時間バッテリー・イコライザー調整機能を備えている点が大きな強みです。
開封内容と付属品の確認
パッケージ内容は必要最低限ながら、使用に必要なものはすべて揃っています。
内容物一覧:
- CORSAIR VOID WIRELESS v2 本体(マイク一体型)
- USB Type-C 充電ケーブル(やや短め)
- ワイヤレスUSBレシーバー(2.4GHz)
- クイックスタートガイド(紙ではなくオンラインで詳細閲覧)
マニュアルが紙で付属していない点は注意が必要ですが、QRコードからオンラインマニュアルへ簡単にアクセスできます。
デザインと装着感の特徴
「VOID WIRELESS v2」の外観は、ゲーミングデバイスらしい無骨さと実用性のバランスが取れたデザインとなっています。
主な特徴:
- マット仕上げのプラスチックボディ
高級感は控えめながら、指紋や汚れが目立ちにくい仕様。 - ファブリック素材のイヤーパッド・ヘッドバンド
通気性が高く、夏場の長時間使用でも蒸れにくい。柔らかく“もっちり”としたクッション感で装着感は良好。 - RGBライティング搭載
本体サイドにさりげなくライティングゾーンがあり、iCUEでカスタマイズ可能。 - ボタン類の操作性
電源ボタンや音量ダイヤル、Bluetooth切り替えボタンが大きめに設計されており、装着中でも“ノールック操作”しやすいのが特長。 - サイズ調整機構
カチカチとした段階式ではなく、無段階調整タイプ。細かいフィット感の調整が可能。 - 側圧の強さ
平均よりやや強め。ただし、圧迫感は少なく、頭が大きめの方でも痛みを感じにくい設計。
これらのポイントから、CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」は、デザイン性よりも実用性・快適性を重視した設計であることが分かります。
特にファブリック素材の採用やボタン類の操作性は、長時間ゲームをプレイするユーザーにとってありがたい仕様と言えるでしょう。
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」の音質レビュー

低音と高音の迫力ある再生能力
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」の最大の特徴は、「ドンシャリ系サウンド」にあります。
ドンシャリとは、低音と高音が強調されている音作りのこと。
「VOID WIRELESS v2」では、この特徴が顕著に現れており、重厚な低音とクリアな高音による迫力あるサウンド体験が得られます。
サウンド傾向のポイント:
- 低音域(20Hz〜250Hz):
しっかり沈み込むような重低音。爆発音・エンジン音・キックベースの再生力が高く、アクション映画やロック系サウンドと好相性。 - 高音域(6kHz〜16kHz):
シンバルや電子音などの高音もくっきり再生。サイバーパンク系ゲームやEDM楽曲で爽快感を演出。 - 中音域(400Hz〜1.6kHz):
やや引っ込み気味。ボーカルや足音が少し埋もれる印象があり、細かいディテールを重視する用途には不向きな場合も。
このように、没入感とエンタメ性を重視した音作りになっており、映画鑑賞や音楽視聴、RPG系のゲームには非常に適しています。
FPS・格闘ゲームでの実用性
「VOID WIRELESS v2」は音の迫力重視なため、FPSで求められる「繊細な定位感」や「中音域の明瞭さ」にはやや欠ける傾向があります。
ゲームジャンル | 向き不向き | 解説 |
---|---|---|
FPS(例:VALORANT) | △ | 足音の帯域がやや抑えられており、正確な位置把握には向きづらい |
格闘ゲーム(例:スト6) | ◎ | 必殺技の強弱音が聞き取りやすく、戦略判断に直結する |
RPG・アクション | ◎ | 臨場感・演出音に優れ、世界観への没入感が高い |
映画・音楽鑑賞 | ◎ | 低音・高音の強調により迫力あるリスニングが可能 |
特に格闘ゲームでは、技の強弱を音で判断するというプレイヤーには大きな利点があり、競技性の高いタイトルでも効果を発揮します。
音場とボーカルの聴こえ方
「VOID WIRELESS v2」の音場(音の広がり)は中程度~やや広めで、特に横方向の広がりが感じられます。
ただし、ボーカルやキャラボイスなどの「前方定位」にはやや弱く、音が後方に引っ込んで聴こえるケースもあります。
音場と音像の印象:
- 音場の広さ:★★★☆☆(3.5/5)
- 定位感:★★☆☆☆(2.5/5)
- ボーカルの前出感:★★☆☆☆(2.5/5)
この傾向により、立体音響にこだわるFPSプレイヤーには最適とは言えませんが、BGM重視のゲームやコンテンツ消費用途での音場体験は十分満足できるレベルです。
【まとめ:音質傾向の総評】
評価項目 | 内容 |
---|---|
音質全体のバランス | ドンシャリ(低・高音が強調、中音が控えめ) |
迫力 | 高く、映像作品やEDM向き |
ゲーム適性(FPS) | 中~下(足音定位にやや難あり) |
ゲーム適性(格ゲー) | 高(効果音の強弱が明瞭) |
音場 | 中程度(広すぎず狭すぎず) |
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」のサウンドは、ゲームと音楽・映像を“楽しむ”ことを重視した設計です。
「勝つための音」ではなく「浸るための音」を求めるユーザーにマッチするでしょう。
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」のマイク性能とソフトウェア機能

マイクの音質とミュート機能の仕組み
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」に搭載されているマイクはブーム型の一体型マイクで、ノイズキャンセリング機能付き。
音声チャットやボイスチャットに十分な品質を備えており、日常のゲーミング用途には問題ないレベルです。
マイク性能の主なポイント:
- ノイズリダクション対応:
周囲の雑音をある程度カットし、声をクリアに伝える性能。無音状態でも不自然なホワイトノイズが目立ちにくい。 - 音質:
有線マイクに比べると解像感や低域の厚みではやや劣るが、ワイヤレス製品としては十分なクオリティ。音のこもりも少ない。 - サ行・パ行の発音:
破裂音や摩擦音が過度に強調されることはなく、ナチュラルで聴きやすい音質。 - 物理的なミュート操作:
マイクを上に跳ね上げると自動的にミュートされる物理設計を採用。
「ミュートボタンの押し忘れ問題」を防ぎやすく、配信者やボイスチャット使用者にとって便利な仕様。
イコライザーとカスタマイズ設定
CORSAIR専用のソフトウェア 「iCUE(アイキュー)」 を使うことで、細かな音質調整やライティングのカスタマイズが可能になります。
iCUEでできる主な設定:
機能項目 | 内容 |
---|---|
イコライザー設定 | 5バンド以上での手動調整が可能。FPS用・ベースブースト・ムービー用などプリセットあり。 |
マイク音量調整 | 入力感度やゲインの設定が可能。 |
sidetone(マイクモニター) | 自分の声をリアルタイムに聞く「マイクフィードバック」のON/OFF切り替え。 |
ライティング設定 | 本体側面のRGBライトの色やエフェクトをカスタマイズ。上下2か所の独立設定が可能。 |
キー割り当て | 本体ボタンへのショートカット機能の割り当てが可能。 |
特にイコライザー機能では、「中音域の引っ込みが気になる」「足音が聞こえにくい」と感じる場合にも、カスタム設定である程度補正できます。
実用的なおすすめイコライザー例:
- FPS重視: 中音域(400Hz~1.6kHz)をやや持ち上げる
- 映画重視: 低音(60Hz〜120Hz)と高音(8kHz以上)を強調
- 音楽鑑賞: ドンシャリをやや抑え、中域を補正
ソフトウェア使用時の注意点
CORSAIR製品共通の課題として、「iCUEソフトが重い」というユーザーの声があります。
バックグラウンドで常駐させるとPCの動作が鈍くなるケースもあり、以下の点に注意が必要です。
注意点と対処法:
- メモリ使用量が多め:
常駐アプリとしてはやや重いため、スペックの低いPCや同時に多くのアプリを起動する環境では影響を受けやすい。 - 起動が遅い:
ソフトウェアの立ち上がりに時間がかかることがある。 - 回避策:
・設定完了後はiCUEを終了しても基本設定は本体に保持される
・必要な時だけ起動する運用でも問題なし
・イコライザー調整完了後にアンインストールする手もアリ
【マイク・ソフトウェアまとめ】
項目 | 評価内容 |
---|---|
マイク音質 | ワイヤレスとしては高水準。日常使用に適したナチュラルさ |
ミュート機能 | マイクを跳ね上げる物理式で直感的に分かりやすい |
ソフトウェア(iCUE) | 高機能だがやや重い。必要な設定だけ済ませて常駐しない使い方がおすすめ |
イコライザー | 細かな調整が可能で、ゲームジャンルに合わせてカスタマイズしやすい |
RGBライティング | 本体サイドの光り方を上下2か所で個別設定可能 |
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」を使用した私の体験談・レビュー

CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」を実際に数週間使用してみて、第一印象は「想像以上に万能なヘッドセット」というものでした。
特に、ゲーム・音楽・動画視聴など、用途を問わず高いレベルで対応できる“バランス型の快適性”に驚きました。
装着感と長時間使用の快適さ
まず特筆したいのがファブリック素材のイヤーパッドです。
以前使っていた合皮タイプでは、長時間使用すると蒸れて不快感がありましたが、この「VOID WIRELESS v2」ではその心配がほぼありません。
真夏の室内環境でも蒸れにくく、肌への接触もやわらかいため、3〜4時間の連続使用でも快適さが持続しました。
また、側圧が絶妙で、頭をしっかりホールドしつつも痛みを感じるような強さではありません。
頭の大きい自分でも自然にフィットしたことは、高評価ポイントのひとつです。
ゲームでの使用感:格闘ゲームとFPSでの比較
主にプレイしたのは格闘ゲーム(ストリートファイター6)とFPS(Apex Legends)ですが、どちらにも明確な特徴が現れました。
格闘ゲームでのメリット:
- 技の強弱が音の違いで判別しやすい
- BGMと効果音がしっかり分離され、集中力が高まる
- 会場ノイズのあるオフライン対戦でも、周囲の音を遮断できてプレイに没頭しやすい
格ゲーでは、相手の技の種類によって取るべき対応が変わるため、音の聴き取りやすさが勝敗に直結することがあります。
「VOID WIRELESS v2」は、そうした用途に非常に相性が良いと感じました。
FPSでの課題と工夫:
一方で、Apexでは足音や銃声の細かい位置把握にやや苦労しました。
音の迫力は抜群なのですが、中音域がやや引っ込み気味な影響か、距離感や方向感にわずかなブレがあるように感じます。
ただし、iCUEのイコライザーで中音域を少し持ち上げたところ、定位の正確性が向上。
設定次第で十分補正可能だとわかりました。
マイクと日常使いでの印象
フレンドとのボイスチャットやミーティングで使ったところ、声の聞こえ方に関して「はっきりしてて聞きやすい」とのフィードバックをもらえました。
マイクミュートも物理操作で直感的にできるため、会話のON/OFF切り替えもスムーズです。
また、Bluetoothモードを使えばスマホと接続して音楽再生も可能で、仕事中のBGM用途にも使える点が個人的には高ポイントでした。
実際に使って感じた良かった点・気になった点
良かった点 | 気になった点 |
---|---|
ファブリック素材で蒸れにくく、快適な装着感 | iCUEソフトがやや重く、PCによっては動作に影響 |
低音・高音の迫力があり、映像作品との相性が抜群 | デフォルトの音質はFPS向けにはやや不向き |
マイクの音質が自然で使いやすく、ミュートも直感的 | ライティングの光量がやや控えめでカスタマイズ感が弱い |
総括的な印象
「VOID WIRELESS v2」は、明確な“エンタメ重視型”ヘッドセットという印象です。
細かい音の分析や戦術的な使い方には少し工夫が必要ですが、使い勝手・快適性・多機能性のバランスが非常に良く、「毎日使いたくなるちょうどいいモデル」というのが最終的な感想です。
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」に関するQ&A

「VOID WIRELESS v2」はどんな人におすすめですか?
低音と高音の迫力あるサウンドで、臨場感を重視する人に特に向いています。映画・音楽・RPG・格闘ゲームなど、没入感を楽しみたい用途にぴったりです。逆に、繊細な足音や位置情報を正確に把握したいFPSプレイヤーにはイコライザー調整が必須です。
ワイヤレス接続とBluetoothの違いは何ですか?
ワイヤレス(USBレシーバー経由)は遅延が極めて少なく、ゲーム用途に最適です。一方、Bluetoothはスマホやタブレットと接続する際に便利ですが、わずかに遅延があるためゲームではやや不向きです。用途に応じて切り替えができます。
マイクは取り外し可能ですか?
いいえ、マイクは一体型で取り外しはできません。ただし、柔軟性があり、角度調整は自由にできます。また、跳ね上げるだけで自動的にミュートになるため、操作は直感的で便利です。
ソフトウェア(iCUE)は使わなくてもいいですか?
使用しなくても基本機能は利用できますが、イコライザー調整やRGBライティングのカスタマイズ、マイク設定などの細かな調整をしたい場合はiCUEが必須です。設定完了後は常駐させず終了しても問題ありません。
他のCORSAIR製品と連携できますか?
はい。iCUE対応のCORSAIR製品を複数使っている場合は、RGBライティングを同期したり、設定を一元管理したりできます。キーボードやマウスとの連携を楽しみたい人には特に便利です。
iCUEソフトが重いと聞きましたが、対策はありますか?
確かにiCUEはやや重めのソフトですが、設定後に終了しても大半の内容はヘッドセット側に保存されます。また、PCのスペックによっては問題なく動作することも多いです。最低限の設定が済んだら常駐を解除する運用がおすすめです。
眼鏡をかけていても快適に使えますか?
イヤーパッドが柔らかく布製のため、眼鏡をかけた状態でも圧迫感は少なく、長時間使用しても不快になりにくいです。ただし、側圧は平均よりやや強めなので、フィット感には個人差があります。
充電しながら使用できますか?
はい、USB Type-Cケーブルを接続すれば充電しながらの使用が可能です。ただし、接続方式によっては一時的にワイヤレス接続が無効になる場合もあるため、長時間プレイする際はあらかじめフル充電しておくと安心です。
PS5やNintendo Switchでも使えますか?
ワイヤレスUSBレシーバーを利用すればPS5には対応していますが、Nintendo Switchはドック経由でのUSB接続時のみ一部機能に対応となります。Bluetooth接続による使用は公式にはサポートされていません。
音の遅延は気になりますか?
USBレシーバーによる2.4GHzワイヤレス接続では遅延はほぼ感じられず、ゲームプレイに十分対応可能です。一方、Bluetooth接続時にはわずかに音の遅延を感じることがあり、リズムゲームやタイミングがシビアなFPSには不向きです。
音漏れはしやすいですか?
「VOID WIRELESS v2」は開放型ではなく密閉型の設計になっているため、音漏れは比較的少なめです。ただし、音量を最大に近づけると近くの人に若干聞こえることがあるため、環境に応じて音量調整するのが無難です。
通話アプリ(Discord、Zoomなど)でも問題なく使えますか?
はい、Discord・Zoom・Google Meetなどの主要な通話アプリと互換性があり、マイクとスピーカーの切り替えもスムーズに行えます。クリアな音質とノイズキャンセルマイクの組み合わせで、通話品質も高評価です。
RGBライトはオフにできますか?
はい、iCUEソフトウェアを使えばRGBライティングを完全にオフにすることが可能です。バッテリー持続時間を最大限に活かしたい場合は、RGBをオフにすることで最大約70時間の連続使用が可能になります。
有線接続には対応していますか?
いいえ、「VOID WIRELESS v2」は有線接続には非対応で、USBレシーバーによるワイヤレス接続とBluetooth接続のみに対応しています。有線ヘッドセットのように使いたい場合には別モデルを検討する必要があります。
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」レビューのまとめ

CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」は、「高音質で汎用性が高く、日常使いにも快適なゲーミングヘッドセット」を探している人にとって、非常にバランスの取れた製品です。
近年のゲーミング市場では「FPSに特化したフラット傾向の音作り」が主流になりつつありますが、「VOID WIRELESS v2」はあえてその流れに逆らい、重低音と高音の迫力ある“ドンシャリ”サウンドを追求しています。
その結果、ゲームはもちろん、音楽鑑賞・映画視聴・ボイスチャットなど、エンタメ全般にマッチするオールラウンドな性能を備えた一台に仕上がっています。
❖ 機能ごとの評価と解説
項目 | 評価 | 詳細コメント |
---|---|---|
音質(全体バランス) | ★★★★☆(4.5) | ドンシャリ傾向が強く、低音の深さと高音の抜け感が心地よい。中音域はやや控えめ。 |
FPS適性 | ★★★☆☆(3.0) | 足音や銃声の位置把握はEQ調整である程度補正可能。標準状態では“エンジョイ勢向け”。 |
格闘ゲーム適性 | ★★★★★(5.0) | 技の強弱など、音の違いが明瞭に聞き分けられるため、反応が求められる格ゲーに最適。 |
音楽・映画の迫力 | ★★★★★(5.0) | 映像コンテンツの爆発音・EDMの低音・シンバルなどの高音が際立つ。臨場感重視派に◎。 |
装着感・快適性 | ★★★★☆(4.5) | 通気性の良い布素材が蒸れにくく、長時間の装着でも疲れにくい。側圧も適度。 |
マイク品質 | ★★★★☆(4.0) | 声は自然で聞き取りやすく、ミュート操作が直感的。無指向性だがノイズ処理もしっかり。 |
バッテリー持続時間 | ★★★★★(5.0) | 最大70時間と超ロングライフ。RGBオフ時はほぼ丸3日以上使用可能。 |
接続性(汎用性) | ★★★★★(5.0) | ワイヤレス(USBレシーバー)とBluetoothを両立。スマホ・PCの併用がスムーズ。 |
ソフトウェア(iCUE) | ★★★☆☆(3.0) | 多機能で便利だが、動作が重く感じる場合も。設定後は常駐しない運用が吉。 |
RGB・デザイン性 | ★★★★☆(4.0) | 控えめなRGB搭載でゲーミング感を出しつつも派手すぎず、部屋の雰囲気に馴染みやすい。 |
❖ 優れているポイント
- 🎧 ドンシャリ傾向の音質で迫力満点:映画や音楽も含めたエンタメ用途に最適
- 🔋 最大70時間の長時間バッテリー:頻繁に充電しなくても安心
- 🧵 ファブリック製イヤーパッド:蒸れにくく、夏でも快適
- 🔄 Bluetooth & ワイヤレス切り替え可:スマホ〜PCまで柔軟に使える
- 🎛️ イコライザー調整で音質を最適化:FPSにも対応可能
- 🎙️ 自然で聞きやすいマイク音質:配信・チャット・会議にも対応
❖ 購入前に気をつけたいポイント
- ❌ FPSプレイヤーはEQ調整が必須:定位感・足音の明瞭さはデフォルトでは物足りない可能性
- ❌ 有線接続非対応:USBまたはBluetoothのみ
- ❌ iCUEソフトがやや重い:メモリが少ないPCや低スペック環境では負荷が気になる場合あり
- ❌ マイクの取り外し不可:使用しない場合は上に跳ね上げるしかない
❖ こんな人におすすめ!
✅ 映画・音楽・ゲームを幅広く楽しみたい人
✅ 格闘ゲームでの音の情報に注目している人
✅ マイクや装着感にこだわりたい在宅ワーカーや配信者
✅ ヘッドセットに多機能性と快適性を求める人
✅ 1万円台で“質の高い万能機”を探している人
❖ CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」レビューの総括
CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」は、単なるゲーミングデバイスにとどまらず、音楽や映画鑑賞、日常使いまで幅広く対応できる“エンタメ志向”のヘッドセットです。
ドンシャリ系のサウンドチューニングは、迫力や臨場感を重視するユーザーにとって非常に魅力的で、ファブリック素材の快適な装着感や最大70時間という長時間バッテリー、Bluetoothとの併用可能な高い汎用性など、ミドルレンジ価格帯とは思えないほど多くの利点を備えています。
一方で、FPSなどの定位性を重視する用途にはイコライザー調整が欠かせず、iCUEソフトの重さや有線非対応といった注意点もありますが、それらを踏まえたうえでも、あらゆる場面で「使える」バランスの良さが光ります。
総じて、ゲームと日常の両方にフィットするヘッドセットを探している方にとって、有力な選択肢となることは間違いありません。
音の迫力と快適性を両立させたいあなたに、CORSAIR 「VOID WIRELESS v2」はきっと満足のいく一台になるはずです。

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