BenQ ZOWIEの「EC2-DW」は、プロゲーマーから長年支持されてきたECシリーズの最新無線モデルです。
本機は、従来モデル「EC2-CW」をベースに大幅な改良を加え、重量・性能・安定性の全てを強化しています。
特に注目すべきは、ポーリングレートが最大4,000Hzに対応し、センサーも最新のPixArt PAW3950へアップデートされた点です。
これにより、マウスの動きがより正確かつ滑らかに反映され、高速なエイムや微細なトラッキングが求められるシーンでも安定した操作が可能になりました。
さらに、前作から約17gの軽量化(約60g)を実現。
ワイヤレスでありながら長時間使用しても疲れにくく、FPSやMOBAなど激しいマウス操作を必要とするジャンルでも扱いやすい仕上がりになっています。
形状は、右手専用のエルゴノミクスデザイン「EC形状」を継承。
ZOWIEが長年培ってきた快適な握り心地と高い操作性は健在で、被せ持ち・深めのつかみ持ちユーザーを中心に、安定感のあるプレイが可能です。
この記事では、このCの特徴や前作からの進化点、実際の使用感までを詳しく解説し、購入を検討している方がサイズ感や機能面で迷わないよう整理していきます。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」とは?

製品の概要と位置付け
ZOWIEの“EC”は、右手特化のエルゴノミクス形状として長年プロシーンの標準になってきたシリーズです。
「EC2-DW」はそのミドルサイズにあたる無線モデルで、被せ持ち〜深めのつかみを想定した“王道の握り”を、約60gという軽さと最新センサー/最大4,000Hzの入力密度で現代仕様に引き上げた一本です。
サイズ展開は EC1-DW(L)/EC2-DW(M)/EC3-DW(S) の3つ。
迷ったら真ん中のEC2、という立ち位置は変わりません。
- 右手用エルゴ(左右非対称)/“細長い”プロポーション
- 被せ持ち・深めのつかみで、手のひらの置きやストップ操作が安定
- ドライバーレスで“底面操作だけで”設定が完結
項目 | EC2-DW |
---|---|
形状 | 右手用エルゴ(EC形状) |
サイズ | 全長 約123mm/最大幅 約65mm/高さ 約42.1mm |
グリップ幅(底面最狭) | 約60.8mm |
重量 | 約60g(実測で59g台の報告も) |
センサー | PixArt PAW3950 |
ポーリング | 125 / 500 / 1000 / 2000 / 4000Hz |
DPI | 400 / 800 / 1000 / 1200 / 1600 / 3200(段階式) |
接続 | 1Kドングル/Enhanced Wireless Receiver(充電ドック兼用) |
設定 | プラグ&プレイ(底面スイッチ+ボタン併用) |
付属品:本体、1Kドングル、Enhanced Wireless Receiver、USB-A to Cケーブル(柔らかめ)、替えソール(黒/白 各1)、クイックガイド など。
メモ:ドック背面のUSB-C開口は狭め。付属ケーブルの使用が無難です。
前作(EC2-CW)からの主な変更点
アップデートは“数値上の強化”にとどまらず、握りの決まりやすさや運用面にも効く内容です。
とくに軽量化と高レート対応は体感差がはっきり出ます。
- 約−17~−19gの軽量化:前作の約77g → 今作約60g
- 最新センサー:PAW3370 → PAW3950
- 最大4,000Hzへ拡張(2,000Hzも選択可):Enhanced Wireless Receiver使用時
- DPIステップ拡充:1000/1200が追加され、6段階に
- グリップ幅の微調整:底面の最狭部が約−0.5mmで、親指の収まりが良化
項目 | EC2-CW(前) | EC2-DW(今) | ねらい/体感 |
---|---|---|---|
重量 | 約77g | 約60g | 切り返し軽快・疲労軽減 |
センサー | PAW3370 | PAW3950 | 微細トラッキングの安定 |
ポーリング | 最大1000Hz | 最大4000Hz(2000Hz可) | 入力密度・追従性向上 |
DPI | 400/800/…/1600/3200 | 400/800/1000/1200/1600/3200 | 実用域が広がる |
グリップ幅 | 約57.2mm | 約56.7mm | 親指の“決まり”を改善 |
付属 | 1Kドングル中心 | 4K対応ドック同梱 | 充電と高レートを一体化 |
同シリーズ・競合モデルとの比較
シリーズ内の住み分け
ECはサイズで“当たり方”が変わります。
「EC2-DW」は“細長い標準形”。
「EC3-DW」は短め&背の山がやや前寄りで、浅いつかみや小さめの手にマッチ。
「EC1-DW」は大きめで完全被せ派に余裕があります。
- EC1-DW(L):手が大きい/完全被せ向け
- EC2-DW(M):標準手サイズの最有力、細長いバランス
- EC3-DW(S):短め・前寄りの背。浅めのつかみや小さめの手に
競合と“握りのニュアンス”
- VAXEE E1:EC系に近いが横幅がやや細め。指間が狭い人にフィットしやすい。
- Pulsar Xlite V4(Medium):後方の傾斜や背の位置が異なり、掌への当たり方が別解。
- Logicool G PRO X Superlight 2:左右対称の自由度が魅力。対称形を好むならこちら。
選び方の目安(EC2-DWがハマる条件)
手長18〜19cm前後の一般的な手で、被せ〜深めのつかみを多用し、“ECの安定感+現行最前線のスペック”を一台で取りたい人に最適です。
ドライバーレスで現場の再現性を重視する使い方(大会PC・共有PC)や、ドックでの充電と4K運用をまとめて整えたい人とも相性が良好です
ひと口メモ(運用で迷いやすいポイント)
- 4Kで使うときは、本体裏のセレクトスイッチを“ドック側”に。1Kドングル使用時は“1K側”に。
- センサー位置は左右は中心化(わずかに左寄せ)、前後はほぼ中央やや前。トラッキングとストップの両立に寄与します。
- 付属ソールは黒=標準、白=速め。感度やパッドに合わせて使い分けるとセッティングが素直に決まります。
――
総じて、「EC2-DW」は“ECの握り”をそのままに、2025年基準の軽さと応答性で再構成した主力機です。
初めてのエルゴ系でも違和感なく、既存ECユーザーには“そのまま強い”移行先になり得ます。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」のデザインと形状

EC形状の設計思想と“握り”の方向性
「EC2-DW」は、右手専用の左右非対称=エルゴノミクス形状を素直に磨き込んだモデルです。
背の“山”はほぼ中央寄りに置かれ、掌の中心でしっかり受け止めることで、被せ持ちや深めのつかみ持ちでの安定感をつくります。
親指側には強めのくびれ、薬指・小指側にはなだらかなふくらみを与え、手首はわずかに内側へ倒れた“自然な角度”になりやすい設計。
さらにボトム(後端)の跳ね上げが控えめなので、掌で止めるストッピングが短距離で決まりやすいのも特徴です。
- 被せ主体でも“手のひらで支える → 指で微修正”の切替が速い
- 右前方は丸めたリップ形状で、薬指を沿わせる“リバース気味”の握りにも対応
- 左右の高さ差はやや強め=被せ・深つかみで恩恵が出やすい
サイズ感と当たり方(数値とニュアンスの両面から)
まずは実寸。
「EC2-DW」は“細長い”プロポーションで、後方のボリュームを張り過ぎないバランスです。
前作よりグリップ幅(底面最狭)が約−0.2mmとわずかに細く、親指の位置決めがしやすくなりました。
指標 | 値(EC2-DW) | 体感の意味合い |
---|---|---|
全長 | 約123 mm | 細長く、可動域が取りやすい |
最大幅 | 約65 mm | 後方は“出っ張りすぎない” |
高さ | 約42.1 mm | 山は中央寄りで掌に素直 |
グリップ幅(底面最狭) | 約60.8 mm | 親指の収まりが良く握り直しが減る |
同シリーズや近縁形状と比べると、“どこに当たりが来るか”のニュアンスが変わります。
「EC3-DW」は短めで山がやや前寄り、「E1」は横幅が細めで指間が狭い人に合いやすい、「Xlite V4」(Medium)は後方傾斜の出し方が異なり掌への当たり方が別解です。
モデル | 形のニュアンス | 合いやすい人 |
---|---|---|
EC2-DW | 細長い・中央山・強めくびれ | 標準手×被せ〜深つかみ |
EC3-DW | 短め・前寄りの山 | 小さめ手/浅めつかみ |
VAXEE E1 | 横幅が細め | 指間が狭い人/タイト好み |
Xlite V4 M | 後方の傾斜が別解 | 掌への当たりを変えたい |
GPX SL2 | 左右対称 | 対称形の自由度重視 |
手を“脱力”して自然に開いたときの指の横幅が、グリップ幅の目安。
これが56〜60mmあたりなら「EC2-DW」は収まりやすいはずです。
指間がかなり狭いなら、より細めのモデル(例:E1)も検討余地があります。
サイド/トップ/クリック面のディテール
形状の心地よさは、面のつながり方で決まります。
「EC2-DW」はサイドからトップにかけての複合曲面が丁寧で、指腹・掌が“座る”ポイントが自然に決まります。
- 左サイド(親指側)
後方はなだらかな台形 → 中央で壁面が立ち上がる → センター付近で逆Rへ。
この“くびれ”が位置決めと滑りにくさを生み、スワイプ後の握り直しが減ります。 - 右サイド(薬指・小指側)
穏やかなふくらみ+先端の丸みで、薬指を寝かせて添える配置が自然。
カーブの終端は左のくびれと対になる位置で、包み込むホールド感を演出。 - トップ~メインクリックの面
トップは大きめの一体パネルで、緩いU字スカルプト。指腹が中央寄りに落ち着き、被せ時の荷重が分散します。
前作より前方幅がわずかに広いため、指の開きに余裕が出て配置自由度が上がりました。
※構造的にトップ一体は“戻りの反発”が穏やかになりがちですが、これは操作感の話で、形状としては指の置き位置が安定しやすいメリットが際立ちます。 - 底面とソールの意匠
上下に大判ソール+センサーリング。上側ソールは充電ドックのガイドと干渉しない切り欠きつき。
跳ね上げ控えめな底面は、後端が手前に寄るぶん、掌で“押し止める”操作がつながりやすい設計です。
「EC2-DW」は、中央寄りの山×強めの左くびれという“ECらしさ”を保ちながら、細長い比率と控えめな後端の跳ね上げでストップの短さと微調整のしやすさを両立。
前作よりわずかに細くなったグリップ幅が親指の収まりを改善し、多くの手で“王道の握り”を自然に作れるよう仕上げられています。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」の性能と機能

センサーとポーリングレート ― “入力密度”をどう活かすか
「EC2-DW」の心臓部はPixArt PAW3950。
微細な手ブレを拾える最新世代で、素早いスワイプ後の微調整がスムーズです。
DPIは400 / 800 / 1000 / 1200 / 1600 / 3200の段階式。任意値入力はできませんが、実用域はしっかり網羅しています。
ポーリングレートは125 / 500 / 1000 / 2000 / 4000Hz。
付属のEnhanced Wireless Receiver(充電ドック兼用)を使うと2K/4Kが解放され、1Kドングル使用時は1000Hzまで。
高レートほど入力サンプルが増え、ポインタの軌跡は“粒立ち”が細かくなります。
- 1000Hz:もっとも“癖が少ない”標準。まずはここから。
- 2000Hz:追従が一段なめらかに。追いエイムで軌跡がそろいやすい。
- 4000Hz:入力密度最大。わずかな手の揺れまで反映され、狙点のノイズが減る感触。PC負荷やUSB周りの影響を受けやすいので環境を整えてから。
センサー位置は裏面基準で左右は中心化(わずかに左寄せ)、前後はほぼ中央やや前。
センサー→前端約60.5mm/センサー→後端約62.5mmで、トラッキングとストップのバランスをとる設計です。
使い分けの目安:1000 → 2000 → 4000の順で段階的にテスト。マシン負荷やUSB帯域に余裕がない場合は1000〜2000Hzが現実解になりやすいです。
クリック/ホイール、ビルド ― 実戦に寄せた“手当たり”
シェルは剛性高めで、強押しでもきしみが出にくい作り。
軽量化の影響で底面がわずかに撓む個体はありますが、実用影響は小さめです。
- メインボタン:メカニカル。プリトラベル=標準〜やや長め/ポストトラベル=やや長め。トップが一体成形のため“戻り”は穏やか寄り。先端寄りで押すとテンポが整いやすいです。
- サイドボタン:プリ短/ポスト短でキビキビ反応。押圧はやや強めで誤爆しにくい。
- ホイール:24段ノッチが明瞭。武器チェンやアイテム選択など1ノッチ精度が取りやすい。ホイールクリックはやや硬めだが連打は可能。
- コーティング:マットで高グリップ。その反面、汗跡は残りやすいので布クロス常備が快適。
- マウスソール:上下の大判+センサーリング。黒=標準、白=速めが同梱(上側はドック充電ガイドに合わせた切欠き付き)。
要素 | キャラクター | 実戦での利点 | 注意点 |
---|---|---|---|
メインクリック | ストロークやや長め/戻り穏やか | 誤入力を抑えつつ狙って押せる | 連打主体は前寄りで押すと良好 |
サイド | 反応早い・押圧やや強め | 誤爆しにくい | 長押し連発は指疲労に留意 |
ホイール | 24段ノッチ明瞭 | 1ノッチ刻みの操作が正確 | クリックはやや硬め |
コーティング | 高グリップ | 汗でも滑りづらい | 手跡が出やすい |
ソール(黒/白) | 黒=コントロール、白=スピード | 感度やパッドで選べる | 交換時は貼り直し精度に注意 |
プラグアンドプレイと設定 ― “現場再現”が速い
ZOWIEらしくドライバーレス。
USBを挿せば即使用でき、底面スイッチやボタンの組み合わせでDPI/ポーリング/LODほかを切り替えます。
ソフト不要なので、大会PCや共有PCでも環境再現が速いのが強みです。
反面、段階式なので“数値を詰め切る”微調整はできません。
- 接続切替:本体裏のトグルで1Kドングル/4Kレシーバーを選択(不一致だと接続不良や上限レート制限の原因に)。
- 充電:Enhanced Wireless Receiverは充電ドック兼用。ガイドに沿って置くだけで充電開始。
- 電源まわり:ドック背面のUSB-C開口が狭め。付属ケーブルが無難。USBハブを使うならセルフパワー(外部給電)推奨。
- 電波安定性:レシーバーは干渉に強い設計で、ルーター至近や機器密集環境でも安定しやすいです。
項目 | 方式 | 範囲/段階 | メモ |
---|---|---|---|
DPI | 底面スイッチ | 400〜3200(6段階) | 1000/1200を含み実用域をカバー |
ポーリング | 底面スイッチ | 125/500/1000/2000/4000Hz | 2K/4Kはレシーバー使用時 |
LOD/その他 | ボタン併用 | 段階式 | 手順暗記が必要 |
接続切替 | 裏面トグル | 1K/4K | 不一致は要注意 |
実運用のコツ
- まずは1000Hz/DPI 800〜1200でベース作り → 安定したら2000Hz、環境が許せば4000Hzへ。
- ドックはセルフパワーUSBに。付属Cケーブルを使えば給電不足/接触不良のリスクを減らせます。
- ソールは黒(コントロール)/白(スピード)をパッドと感度で出し分け。
- 底面操作はカード型クイックガイドで手順確認しつつ、よく使う組み合わせだけ覚えると楽。
「EC2-DW」の“速く正確な入力”は、PAW3950 × 2K/4Kレート × 約60gという三拍子で成立しています。
ソフトに縛られないドライバーレス運用は現場での再現性が高く、クリック/ホイールは“誤爆しにくい実戦寄り”。
細かい数値の追い込みより、安定運用と即戦力を重視するユーザーに最適な設計です。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」を使用した私の体験談・レビュー

握り心地と可動感(まず“形”の話)
「EC2-DW」は“細長い×背の山が中央寄り”という設計が効いていて、被せ主体で掌に載せたときの座りが素直でした。
左サイドの“くびれ”は前作より決まりが良く、親指の置き直し回数が減るのを体感。
後端の跳ね上げが控えめなので、掌で止める→指で微修正の切り替えが短い距離で完結しやすいです。
- EC3-DWより“後ろの支え”が強く、深めつかみでも掌の安定が保ちやすい
- E1ほどタイトではないので、指間に余裕のある自分の手には「EC2-DW」がベター
重量 × センサー × レート(操作の“密度”)
約60gという軽さはやはり効きます。
長いスワイプ後の戻しや逆方向の初動が軽い。
PAW3950は微細な動きの拾い方が良く、高速→微調整の橋渡しが滑らかでした。
レート別の体感(同じパッド・同じDPIで比較)
レート | 体感の変化 | 運用メモ |
---|---|---|
1000Hz | もっとも安定。トラッキングも十分 | まずはここから基準作り |
2000Hz | 追いAIMの軌跡が一段そろう | USB周りが整っていれば常用しやすい |
4000Hz | 照準の“粒立ち”が細かく、微ブレのノイズが減る感触 | PC負荷・USB帯域の影響が出やすいので環境要確認 |
実戦は2000Hz常用がバランス良。環境が許せば4000Hzも“効き”は感じられます。
クリック/ホイール/サイド(“手当たり”の良し悪し)
- メインクリックはストロークがやや長め。戻りは穏やか寄りで、先端寄りを押すとテンポが合う。連打主体のタイトルでは押下位置の工夫が有効。
- 個体差として左クリックの微かな横揺れを検知(実戦では意識外)。
- サイドボタンは反応が速く、押圧はやや強め。誤爆が減らせる設計。
- ホイールは24段のノッチが明確。武器チェンの1ノッチ精度が取りやすく、クリックは固めでも連打は問題なし。
コーティング/ソール/レシーバー運用
- マット塗装は高グリップで、汗でも滑りづらい反面、手跡は目立ちやすい。マイクロファイバー常備推奨。
- 付属ソールは黒=標準、白=速め。低感度で止め重視なら黒/ハイセンシやスナップ多用なら白がしっくり。
- Enhanced Wireless Receiverは干渉に強く、ルーター至近でも安定。背面USB-Cの口が狭いので付属ケーブルを使うとノーストレス。セルフパワーのハブ接続だと4K運用+充電でも安定しました。
シチュエーション別の気づき
- FPS(低〜中感度)
長距離スワイプ後の“止め”と微修正がやりやすい。2000Hzで軌跡が整い、砂の微ズレ補正が楽。 - MOBA系(中〜高感度)
軽さが効いて切り返しの疲労感が軽減。白ソール+2K/4Kでスナップのキレが増す。 - 長時間作業(デザイン/編集)
60gの恩恵で手首が軽い。対称形ほど自由ではないが、狙ったところで止めやすいのは快適。
よかった点/気になった点
よかった点
- “ECの握り”そのままで現行トップ級の軽さと入力密度
- 親指の置き場が決まりやすく、握り直しが減る
- 2K/4Kの効きが実感できる(特に追いAIM)
- ドライバーレスで現場再現が速い、ドック充電が便利
気になった点
- メインクリックはストローク長め/戻り穏やか(好みが分かれる)
- 4K運用はUSB電源とケーブル選びが前提(付属ケーブル推奨)
- 段階式設定ゆえに“あと少し”の数値詰めは不可
相性の見立て(誰に刺さる?)
- 刺さる人:被せ〜深つかみ/EC形状の安定感が好き/2K/4Kで微調整の精度を上げたい/ソフト不要で即戦力が欲しい
- 合わない人:つまみ特化(より短く薄い個体が無難)/DPI・LODを連続的に微調整したい/クリックは超短ストローク&強い反発が必須
まとめ(体験談の結論)
「EC2-DW」は、“ECの握りやすさ”を維持したまま、軽量化と高入力密度で2025年基準の実戦力に仕上がった一本でした。
細かい数値の追い込みよりも、安定運用・再現性・即戦力を重視する人に強く薦められます。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」に関するQ&A

BenQ 「ZOWIE EC2-DW」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「EC2-DW」は旧モデル(EC2-CW)と比べて何が変わりましたか?
主な違いは以下の通りです。
- 重量が約77g → 約60gへ大幅軽量化
- センサーがPAW3370 → PAW3950に刷新
- ポーリングレートが最大1000Hz → 最大4000Hz対応
- DPI段階が増え、400/800/1000/1200/1600/3200から選択可能
- 4K対応ドック兼レシーバーが付属
4Kポーリングレートを使うには何が必要ですか?
付属のEnhanced Wireless ReceiverとUSB-Cケーブルを使用します。ドックはセルフパワー(外部給電)式USBハブやPCの直差し推奨です。また、マウス底面のスイッチを4Kモード側に切り替える必要があります。
どんな持ち方に向いていますか?
被せ持ち、または深めのつかみ持ちに特化しています。背の山が中央寄りで手のひら全体を支える形状なので、つまみ持ち専用の人にはやや大きく感じられるかもしれません。
バッテリー持ちはどのくらいですか?
1K運用時は非常に長持ちしますが、4K運用では消費が早まります。4K使用時はドックでのこまめな充電を推奨します。
ソフトウェアは必要ですか?
要です。DPIやポーリングレートはすべてマウス底面の物理スイッチで設定できます。大会や共有PCでも設定が即再現可能です。
ソールの違いは何ですか?
同梱のソールは黒(コントロール寄り)と白(スピード寄り)の2種類。自分のマウスパッドやプレイスタイルに合わせて付け替え可能です。
クリック感はどんな感じですか?
誤入力を防ぐためストロークはやや長めで、反発は穏やか。FPSでの安定入力を重視する設計ですが、極短ストロークや強反発を好む人には硬さ不足に感じる可能性があります。
他のサイズはありますか?
ECシリーズはS(EC3-DW)、M(EC2-DW)、L(EC1-DW)の3サイズ展開です。「EC2-DW」は標準手サイズ向けのモデルです。
有線接続でも使用できますか?
はい、付属のUSB Type-Cケーブルで有線接続が可能です。充電しながらのプレイもでき、4Kポーリングレートにも対応します。
4Kポーリングレートは必ず有効にすべきですか?
常に必要ではありません。4Kはカーソルの追従性が向上しますが、消費電力が大きくなるため、競技シーンや精密エイム時のみ有効化するのがおすすめです。
マウスホイールの特徴は?
大きめのノッチ感があり、誤回転を防ぎやすい設計です。武器切り替えやスクロール操作の誤爆を減らせます。
どのゲームジャンルに向いていますか?
特にFPSとの相性が高く、安定したトラッキング性能を求めるプレイヤーに適しています。MOBAやRTSでも問題なく使用可能です。
ドックは他のZOWIEマウスでも使えますか?
同世代のDWモデルであれば共用可能ですが、旧CWモデルや他社製品では4K機能は動作しません。
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」レビューのまとめ

「EC2-DW」は、「握りやすさ=EC形状」という資産を崩さずに約60gの軽量化とPAW3950 × 最大4,000Hzを載せ替えた“2025年版EC2”。
被せ〜深めつかみでの止めやすさと微調整が一段と扱いやすくなり、ドライバーレス設計とレシーバー兼充電ドックで即戦力の再現性も担保します。
いっぽうで、クリックのストローク感(やや長め)と段階式設定、そして4K運用時の電源/ケーブル要件は事前に理解しておきたいポイントです。
総評
- 軽さ×形状で“手のひらで止める→指で微修正”の切替が短距離で決まる
- 2K/4Kレートは追いAIMや微調整の軌跡を整えやすい(まずは1K→2K→4Kの順で検証)
- ドライバーレスは大会PC/共有環境で強い。底面操作で設定再現が速い
アップデート → 実戦メリット
変更点 | 旧: EC2-CW | 新: EC2-DW | 実戦での効き |
---|---|---|---|
重量 | 約77g | 約60g | 切り返し軽快・疲労低減 |
センサー | PAW3370 | PAW3950 | 微細トラッキングの安定 |
レート | 最大1000Hz | 最大4000Hz(2K可) | 追従性・入力密度↑ |
DPI段階 | 400/800/…/3200 | 400/800/1000/1200/1600/3200 | 実用域が広がる |
グリップ幅 | 約57.2mm | 約56.7mm | 親指位置が決まりやすい |
付属 | 1Kドングル中心 | 4Kドック兼レシーバー | 充電と高レート一体運用 |
※形状チューニングの要点:背の山=中央寄り/ボトム跳ね上げ控えめ/左くびれ強め。センサー位置は左右中心化(わずか左寄せ)、前後はほぼ中央やや前(前端約60.5mm・後端約62.5mm)。
長所と注意点
観点 | 長所 | 注意点 |
---|---|---|
握り・形状 | EC“王道”の安心感。被せ〜深つかみで安定 | つまみ特化には大きめに感じやすい |
取り回し | 約60gで初動&切り返しが軽い | ― |
追従性 | PAW3950 × 2K/4Kが効く | 4Kは環境依存(USB電源・帯域) |
クリック/ホイール | 誤爆しにくい実用設計/24段ノッチ明瞭 | メインはストローク長め・戻り穏やか |
運用 | ドライバーレスで即再現/ドック充電が便利 | 段階式ゆえ任意値の微調整は不可 |
付属 | 黒/白ソール同梱(白=速め) | ドック背面USB-C口が狭い(付属C推奨) |
こういう人に向いてる・向いてない
向いてる人
- 被せ〜深つかみでEC形状の安定感を最優先
- 2K/4Kで追いAIMや微修正の“ノイズ”を減らしたい
- ソフト不要で大会・共有PCでも設定再現が速い方がよい
- ドック充電+強い無線安定性をワンセットで使いたい
向いてない人
- つまみ持ち特化(より短く薄い個体が無難)
- DPI/LODを連続的に微調整したい(段階式が不向き)
- クリックに極短ストローク&強い反発を求める
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」レビューの総括
BenQ 「ZOWIE EC2-DW」は、伝統的なEC2形状とZOWIEらしい高いビルドクオリティを継承しつつ、大幅な軽量化と4Kポーリングレート対応という大きな進化を遂げたモデルです。
握った瞬間に感じる軽さと、長時間プレイでも疲れにくい安定感のあるエルゴノミクス形状は、FPSをはじめとする精密な操作を求めるプレイヤーに確かなアドバンテージを与えます。
一部のクリック感に好みが分かれる可能性はあるものの、全体としては完成度の高いゲーミングマウスに仕上がっており、競技シーンから日常的なゲームプレイまで幅広く対応できる一台です。
EC2シリーズの安心感と最新性能の融合を求める方にとって、「EC2-DW」はまさに理想的な選択肢と言えるでしょう。
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