SONY 「INZONE H9 II」 徹底レビュー|WH-1000XM6系ドライバー×有線でもANCの高音質ゲーミングヘッドセット

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出典:SONY公式

ソニーのゲーミングブランド「INZONE」から、第二世代フラッグシップとなる「INZONE H9 II」が登場しました。

初代H9で高く評価された音質とノイズキャンセリングを土台に、約260gの軽量化着脱式ブームマイクUSB-Cドングル/Bluetooth(LE Audio対応)/3.5mm有線という“全部入り”の接続性へと大きく進化。

ヘッドホン分野の名機と同等ドライバーを採用し、ゲーム用に磨き上げたのが本機の肝です。

装着面では、ワイヤーフレーム型の新ヘッドバンドナイロン×合皮のハイブリッド・イヤーパッドで長時間プレイの快適性を底上げ。

通話面では、単一指向性かつ広帯域対応のブームマイクAIノイズリダクションで、VCや配信の“聞き取りやすさ”を強化しています。

さらに、有線接続時でもANCが使える点や、USBドングル音+Bluetooth音の同時出力など、運用の自由度は一気にゲーミング最前線の仕様へ。

この記事では、実機情報と各種レビュー情報を踏まえつつ、ゲーマー視点で「何がどう良くなったのか」「どんな人に刺さるのか」を整理します。

後半ではPC/PS5を軸にした使い分け、設定アプリ(INZONE Hub/Sound Connect)のコツ、そして実プレイで感じた利点・留意点まで、購入前の判断材料を具体的にお届けします。

“音・快適さ・つながり方”の三拍子をどう両立させたのか――「INZONE H9 II」の真価を、丁寧に解きほぐしていきます。

目次

SONY 「INZONE H9 II」の基本情報と進化ポイント

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出典:SONY公式

価格・発売日・同梱物・保証(クーポン/長期保証の選択肢)

まずは土台となる基本情報から。

  • 発売日:2025年9月5日(金)
  • 価格39,600円(税込)
  • カラー:ブラック/ホワイト
  • 同梱物:本体、USB Type-Cドングル着脱式ブームマイク(ウインドスクリーン付)、USBケーブル、3.5mmヘッドホンケーブル、ソフトポーチ、INZONEステッカー
  • 保証・特典(ソニーストア)長期保証〈3年ベーシック〉が無料。任意で〈ワイド〉(破損・水濡れ等)や最長5年まで延長可。

“買ったその日から長く安心して使える”という購入体験に最適化。

持ち運び前提のソフトポーチ同梱も地味に嬉しいポイントです。

軽量化と新デザイン(約260g・新ヘッドバンド/ハイブリッドイヤーパッド)

「長時間でもラク」を正面から解決。

  • 大幅な軽量化:本体は約260g(マイクなし)。初代約330gからの軽量化で、首・肩への負担を実使用で明確に低減。マイク装着時でも+十数グラムで収まります。
  • 新ヘッドバンド構造:ワイヤーフレーム風のフレームに独立したトップサポートを組み合わせ、側圧と荷重分散を最適化。スライダーノブで長さを決めるとガッチリ固定され、脱着でズレにくい。
  • ハイブリッド・イヤーパッド:肌が当たる面はナイロン系でベタつき・蒸れを抑制、内側は合皮で遮音性を確保。快適性と密閉性を両立
  • ハウジング可動域の拡大:左右どちら方向にも90°回転可能で、首掛けや机置きの収まりが良い。
  • ドライバー刷新:フラッグシップワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM6」と同世代ドライバーを搭載。遠距離の足音重低音エフェクトまで解像感と定位を底上げ。
  • マイクの再設計着脱式ブームマイク(単一指向性/広帯域SWB/AIノイズ低減)。ミュートは本体ボタンで、先端LEDで状態確認が直感的。

見た目の“スッキリ感”だけでなく、蒸れにくさ・軽さ・固定の確実性が三位一体で効いてきます。

多彩な接続(USB-Cドングル低遅延/Bluetooth LE Audio/3.5mm有線/同時出力)

“どの機器でも、どの遊び方でも”を叶える接続回り。

  • 2.4GHz(USB Type-Cドングル)低遅延〈30ms未満〉。ドングルのPC/OTHERスイッチで機器を切替。PCではゲーム音・チャット音を分離認識。
  • Bluetooth:Classic(SBC/AAC)+ LE Audio(LC3)対応。スマホ連携や外出時の汎用性が高い。
  • 3.5mm有線遅延ゼロ志向や無線NG環境に。有線でもANCが有効という優位点。
  • 同時出力USBドングルのゲーム音+Bluetoothのスマホ音など、ミックス再生に対応(通話アプリやBGM併用が快適)。
  • ソフト/機能
    • PC:INZONE HubでEQ・DNC・マイク調整、360 Spatial Sound for Gaming、個人最適化、ガイダンス設定など。
    • スマホ:Sound ConnectでEQ等をアプリから即変更(ゲーム機にドングルを挿したままでも調整可能)。
    • FPS向けEQプリセット×3(Fnatic監修)。
  • 対応機器の例PS5(3Dオーディオ)、PCNintendo Switch 2(USB-Cオーディオ認識)、iPhone(端子非搭載でもドングルで低遅延接続)。

バッテリー持ち

条件連続再生時間(目安)
NC OFF・マイク ON最大30時間
NC ON・マイク OFF最大24時間
NC OFF・マイク OFF最大40時間
厳しい条件(NC ON・マイク ON・USB+BT同時)最大18時間
急速充電5分充電→約60分再生
ながら充電充電しながら使用OK

速攻で遊びたい時は急速充電、長時間セッションは有線+ANCという使い分けが現実的。

ひと目でわかる“進化の要”

  • 軽量化×新設計で“長時間でもラク”。
  • ドライバー強化360 Spatial Soundで“音の情報量と定位”が向上。
  • 着脱式マイク+AIノイズ低減で“伝わる声”。
  • USB-Cドングル/LE Audio/有線/同時再生で“運用の自由度”。
  • 有線でもANCスマホアプリでEQなど“痒い所に手が届く”細かな配慮。

 

SONY 「INZONE H9 II」の音質・ノイズ制御・マイク

H9 IIイメージ画像
出典:SONY公式

ゲームの勝敗に直結する“聴こえ”を、ドライバー・処理・マイクの三位一体で底上げします。

要点を短く押さえつつ、実用的な設定例も添えました。

音質:XM6系ドライバー×定位の精度

ヘッドホン直系の表現力を、ゲーム向けに最適化。

  • ドライバー:「WH-1000XM6」と同世代の30mmで、微細音〜重低音までのダイナミックレンジと分離に強み。
  • 定位:にじみが少なく、前後・左右・高さの手がかりが拾いやすい。足音・環境音のレイヤーが掴みやすい。
  • 空間化360 Spatial Sound for Gaming+耳形の個人最適化で、狙った方向の定位が明瞭に。
  • EQ:INZONE Hub/Sound ConnectにFPS向けプリセット×3(足音強調/汎用/疲れにくさ)。必要なら2〜4kHz(索敵)80〜120Hz(床鳴り)を軽く調整。

用途別・クイック設定

用途推奨目的
競技系FPS360SS ON+FPS-1、2–4kHz +1〜2dB/100Hz −1dB足音の抜け・低域の膨らみ抑制
TPS/アクション360SS ON+FPS-2、80–120Hz +1dB/8–10kHz +1dB迫力と空間の煌びやかさ
ストーリー/映画360SS ON+緩いV字EQ没入感とセリフの明瞭度
音楽再生360SS OFF+穏やかU字音楽的な質感重視

プリセットを起点に、2〜3バンドだけ微調整。やり過ぎない方が定位が崩れません。

ノイズ制御:有線でもANCが効く実用主義

集中を阻害する定常ノイズを、シンプルに減らす方向性。

  • ANC(アクティブNC)無線・有線どちらでも有効。PCファンや空調など持続ノイズに強い。
  • アンビエント:外音の“気づき”を担保する実務的な外音取り込みフル透過ではないため、BGMと会話の完全両立用途は非推奨。
  • 切替と運用:左ハウジングのNC/AMBボタンで即切替。ながら充電に対応し、長時間セッションも継続。
  • 小ワザ:騒がしい会場やカフェでは、EQの80–120Hzを−1〜2dBして低域の騒音をさらに整理。

競技シーンや無線NG環境では、有線+ANCが強力な選択肢になります。

マイク:単一指向性+AIノイズ低減+SWB

“伝わる声”を最短で作れる、実戦向けの設計。

  • 構造着脱式ブームマイク。長さ・柔軟性があり、口元に正確に合わせやすい
  • 指向性単一指向性で周囲音を抑制、自声を前景化。
  • 処理AIノイズリダクションでキーボード打鍵や空調音を低減。
  • 帯域スーパーワイドバンド(SWB)対応で子音の抜けや声色のニュアンスが出やすい。
  • 操作:ハウジングのミュートボタン先端LEDでON/OFFが直感的。
  • 調整:INZONE Hub/Sound Connectでマイクレベルサイドトーン(自声モニター)を最適化。

聞き取りやすい声の作り方

  1. 配置:口元から2〜3cm/45°オフアクシス息かかり・破裂音を回避。
  2. レベル:ピークが**−6dB前後で飽和しないゲインに。サイドトーンは小さめ**から。
  3. 環境:マイクをキーボード直上に置かない/机反射を避け、口側へ。

音質・ノイズ制御・マイクの要点

  • 音質:XM6系ドライバー×360SSで情報量・定位・没入感を高水準に。
  • ノイズ制御有線でもANCが使えるのが大きな強み。外音取り込みは“気づき用”。
  • マイク単一指向性+AIノイズ低減+SWBでVC/配信に十分。物理ミュート+LEDで運用も安心。

 

SONY 「INZONE H9 II」の使い勝手とソフトウェア体験

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出典:SONY公式

「INZONE H9 II」は「設定=PC/スマホの二刀流」「運用=USB-Cドングル中心」で迷いません。

INZONE Hub/Sound Connect:役割分担とコツ

最初に“何をどちらでやるか”を決めると快適です。

役割分担

  • INZONE Hub(PC)作り込む
    EQカーブ編集/FPSプリセット(FPS-1〜3)/360 Spatial Soundの有効化&耳形の最適化/マイクレベル&サイドトーン/自動電源OFFやガイダンス音の管理/INZONE周辺機器の一括設定。
  • Sound Connect(スマホ)現場で触る
    EQの素早い切替/ANC⇄アンビエント切替/ガイダンス音量など日常トグル。
    有線接続中はアプリ操作不可(有線でもANC自体は可)。

クイックスタートガイド

  1. Hubで360 Spatial Sound ON→耳の最適化。
  2. FPS-1(索敵)かFPS-2(汎用)を起点に。
  3. 必要なら2–4kHzを+1〜2dB80–120Hzを−1dB程度の軽微調整。
  4. マイクは−6dB付近で余裕が出るゲインに、サイドトーン小さめ。

迷ったら「Hub=腰を据えるアプリ=プレイ中の微調整」でOK。

PS5・Switch2・PC:接続と切替のベストプラクティス

中核はUSB-Cドングル(2.4GHz低遅延)

Bluetoothと有線を“必要な時だけ”足します。

モード使いどころ遅延感補足ポイント
USB-CドングルPS5/PCの本番プレイ非常に低いPCはゲーム音/チャット音を分離。PS5は3Dオーディオ活用
Bluetooth(LE Audio/Classic)通話・BGM・外出低〜中スマホ連絡やBGM重ねに最適。競技はドングル推奨
3.5mm有線無線NG/超長時間実質ゼロ有線でもANC有効。アプリ操作は不可

同時接続・同時再生(便利ワザ)

ドングル(ゲーム音)+Bluetooth(スマホ通話/通知)をミックス出力可能。
例:PS5の音+スマホでDiscord/動画BGMを同時に。

機器別Tips

  • PS5:USB-Cドングルで接続→本体側の3Dオーディオを有効化。耳元のゲーム/チャットバランスボタンで素早く調整。
  • Nintendo Switch 2:本体にUSB-C直挿しでUSBオーディオ認識(出力+マイク)。TVドックはUSB-A変換を準備。
  • iPhone(LE Audio非対応機):Bluetoothよりドングル接続が低遅延で安定。
  • PC:ドングルのスイッチをPC側に。HubでEQ/マイク/360SSを詰める。配信時はサイドトーン小さめから。

操作系・バッテリー・携行性:日々の使い心地

物理操作(触ってわかる配列)

  • 右ハウジングゲーム/チャット・バランスBluetooth電源
  • 左ハウジング無限回転の音量ダイヤル(+側突起で手触り識別)、NC/アンビエント切替USB-C充電3.5mm端子マイク端子
  • ミュート:上部ボタンで瞬時ミュート、マイク先端LEDでON/OFFが一目。

バッテリー(現実的な使い分け)

条件連続再生目安
NC OFF・マイク ON最大30時間
NC ON・マイク OFF最大24時間
NC OFF・マイク OFF最大40時間
NC ON・マイク ON・USB+BT同時最大18時間
急速充電5分充電→約60分再生
ながら充電充電しながら使用OK

携行性&メンテ

  • ソフトポーチ同梱(外ポケットにドングル/ケーブル/マイク収納)。
  • 両方向90°回転首掛け/机置きがフラットに。
  • 約260gの軽量ボディで外への持ち出しが現実的。

留意点(慣れどころ)

  • 音声ガイダンスは簡素(ビープ中心)。モード名読み上げ慣れの他社機から乗り換え時は最初だけ戸惑う。
  • EQプリセットは3種のみ。競技志向で詰めたい人はカスタムEQが前提。

使い勝手とソフトウェア体験のまとめ

  • INZONE Hub=作る/Sound Connect=触るの二刀流。
  • USB-Cドングルが軸、必要に応じてBluetooth同時有線+ANCに切替。
  • 直感的な物理操作急速&ながら充電でストレス少。
  • 軽さ×ポーチで“持ち運べるフラッグシップ”。次章は私の体験談へ。
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SONY 「INZONE H9 II」を使用した私の体験談・レビュー

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※画像はイメージです

数日にわたり PC/PS5/携帯機(USBオーディオ対応)/スマホ を行き来して検証しました。

運用は USB-Cドングル(2.4GHz)を軸 に、通知や通話は Bluetooth を重ね、無線が使いにくい場面やロングセッションは 3.5mm有線+ANC に切り替える——この三本柱で組み立てています。

全体として、準備・切替の迷いが減り、プレイ時間をそのまま集中力に充てやすくなりました。

装着と操作:数字以上に“軽い”

着けた瞬間の第一印象は「軽いのに安定」。

トップを支えるサポートが独立して荷重が分散し、長時間でも頭頂の圧が溜まりにくい感覚です。

肌側がさらっとしたイヤーパッドは蒸れを抑えつつ、内側の密閉で低域の骨格を保ってくれます。

操作は“触ればわかる”配置で、無限回転の音量ダイヤルゲーム/チャットのバランスボタンの出番が多め。

ハウジングが両方向に回転するので、首掛け・机置きの姿勢も崩れません。

  • 荷重分散で数字以上の軽快さ
  • さらっと×密閉のイヤーパッドで快適性と低域を両立
  • バランスボタンでVC音量だけ瞬時に調整

実用シーンごとのセッティング

シーン接続/設定目的体感の要点
競技寄りFPS(約90分)ドングル/360SS ON/EQ:FPS-1足音の把握中高域の抜けが良く、前後の距離感が掴みやすい。低域を少し整えると判断が速い。
協力アクション(約2時間)ドングル/360SS ON/EQ:FPS-2迫力+会話量感のある低域でもセリフが埋もれない。長時間で耳が疲れにくい。
物語重視タイトルドングル/360SS ON/緩いV字EQ没入感背景音の位置づけが自然で、空間の広がりが心地よい。
連絡の取りこぼし防止ドングル+Bluetooth同時出力通話/通知裏連絡や通話を重ねてもゲームの没入を崩しにくい。
無線NGの配信部屋有線+ANC ON環境ノイズ対策PCファンや空調が目立たず、音量を上げずに細部が拾える。

音の見通し:情報量と定位が共存

WH-1000XM6系ドライバーらしく、微細音(足音・リロード)と重低音(爆発・エンジン)が整理されたまま同居します。

360 Spatial Sound を有効化して耳の最適化を済ませると、特に前後の距離感が素直に立ち上がり、状況判断がスムーズになりました。

プリセットEQは色づけが控えめ。必要に応じて下記を“ほんの少し”足すと、狙いが定まりやすいです。

  • 競技寄り:2–4kHzを +1〜2dB(索敵強化)/100Hzを −1dB(床鳴り整理)
  • 物語・映像寄り:80–120Hzを +1dB8–10kHzを +1dB(空間のきらめき)

コツは「プリセット起点+2〜3バンドだけ微調整」。

やり過ぎない方が定位が崩れません。

ノイズ制御:有線でも効くANCが“保険”になる

PCファンや空調のような定常ノイズが手前に出てこないため、音量を上げなくても細部を拾いやすくなります。

便利なのは 有線でもANCが有効 な点。無線が使いづらい現場でも静けさを確保でき、集中の質が下がりません。

外音取り込みは“気づき用”の効き方で、会話とBGMを完全に両立する用途より、呼びかけやチャイムを逃さない保険としてちょうどよい印象でした。

ながら充電ができるので、設定を変えずにロングセッションを継続できます。

マイク:前に出る声、整えやすい運用

着脱式ブームは柔らかく、口元から2〜3cm・正面を少し外す角度で置くと破裂音や息かかりが目立ちません。

単一指向性+AIノイズ低減+広帯域の組み合わせで子音の抜けがよく、VCや配信でも“こもらない声”を作りやすい。

ミュートはハウジング上部ボタン、状態は先端LEDで即確認。アプリ側では入力ピークを−6dB前後に、サイドトーンは小さめから詰めると、ゲーム音とのバランスが合わせやすくなりました。

接続と運用:定番の“型”で迷わない

本気の対戦やリズムの厳しいアクションは USB-Cドングル が第一選択。

PS5の3Dオーディオとも相性がよく、遅延を気にせず定位のメリットを取り切れます。

通知・通話の併用は ドングル音+Bluetooth音の同時再生 が実用的。

長丁場や無線NGの現場では 3.5mm有線+ANC に切り替えます(アプリ操作が効かない点だけ把握しておけばOK)。

  1. 対戦・配信本番:ドングル+360SS ON(EQはFPS-1を起点に微調整)
  2. 連絡の併用:ドングル+Bluetoothを同時出力
  3. 長時間・無線NG:3.5mm有線+ANC ON

気になったところ(強いて言えば)

  • 音声ガイダンスが簡素(ビープ中心):モード名読み上げに慣れた環境からの乗り換えは最初だけ戸惑いがち。
  • EQプリセットが3種:競技寄りの追い込みはカスタムEQ前提
  • バッテリーは十分だが突出ではない急速充電有線併用をセットにすると運用が安定。

体験談のまとめ

軽さ/見通しの良い音/柔軟な繋ぎ方がかみ合い、セッションの準備から終了までのストレスが小さくなりました。

ヘッドセットで不満になりやすい長時間快適性マイク運用が素直に改善され、用途ごとに“勝ちパターン”を作りやすい一台、というのが最終的な印象です。

 

SONY 「INZONE H9 II」に関するよくある質問(Q&A)

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※画像はイメージです

SONY 「INZONE H9 II」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

初代H9からの主な進化は?

  • 約260gの軽量化(旧H9は約330g)
  • 新ヘッドバンド(荷重分散・長さ固定がしっかり)
  • ハイブリッド・イヤーパッド(肌側さらっと、内側は遮音寄り)
  • 着脱式ブームマイク(単一指向性/AIノイズ低減/広帯域)
  • USB-Cドングルで超低遅延+Bluetooth(LE Audio対応)3.5mm有線
  • 有線でもANCが有効、スマホアプリ(Sound Connect)でEQ調整可

音の傾向は? 音楽用としてもいける?

  • WH-1000XM6系ドライバーの恩恵で、細かな効果音から重低音まで情報量と分離感が高い。
  • ゲーム寄りの定位チューニングだが、EQを穏やかU字にすれば音楽でも聴きやすい。

FPSでのおすすめ設定は?

  • まず360 Spatial SoundをON→耳の最適化。
  • EQはFPS-1を起点に、2–4kHzを+1〜2dB100Hzを−1dB程度の小幅調整

低遅延で遊ぶには?

  • USB-Cドングル(2.4GHz)が基本。体感遅延は極小で対戦向き。
  • さらに詰めるなら3.5mm有線
  • Bluetoothは通知・通話や外出に便利だが、本番対戦はドングル推奨。

PS5で3Dオーディオは使える?

使えます。USB-Cドングルで接続し、PS5側で3Dオーディオ設定を有効に。

PCだとゲーム音とチャット音は分けられる?

はい ドングルのスイッチをPCにすると、ゲーム音/チャット音が別デバイスとして認識され、ミキサーで独立調整可能。

Nintendo Switch 2や携帯機では?

  • 本体USB-Cにドングル直挿しUSBオーディオとして認識(出力+マイク)
  • TVドック経由ならUSB-A変換アダプターを用意。

iPhoneやスマホとの相性は?

  • Bluetooth(LE Audio/Classic)で日常運用可。
  • 低遅延を求めるなら付属ドングルをスマホに接続(端子形状に合わせて変換アダプターが必要な場合あり)。

マイクの実力は? 配信でも使える?

  • 単一指向性+AIノイズ低減+広帯域子音の抜けがよく、VC/配信でも聞き取りやすい声に。
  • 置き方は口元2〜3cm/正面を少し外す角度がベター。
  • 上部ミュートボタン+先端LEDでON/OFFが一目でわかります。

アプリは何ができる?(PC:INZONE Hub/スマホ:Sound Connect)

  • INZONE Hub(PC):EQ編集、360SS有効化と耳最適化、マイクレベル/サイドトーン、電源/ガイダンス設定。
  • Sound Connect(スマホ):EQやANC/外音取り込みの現場微調整

EQプリセットは少ないと聞いたけど?

  • FPS-1/2/3の3種類。競技で詰めるならカスタムEQ前提がおすすめ。
  • 迷ったらFPS-1起点+2〜3バンドだけ微調整でOK。

バッテリー持ちはどのくらい?

条件目安
NC OFF・マイク ON最大30時間
NC ON・マイク OFF最大24時間
NC OFF・マイク OFF最大40時間
NC ON・マイク ON・USB+BT同時最大18時間
急速充電5分充電→約60分
ながら充電充電しながら使用可

長丁場は急速充電有線の併用が現実的。

重さと装着感は?

本体は約260g(マイクなし)。荷重分散する新ヘッドバンドさらっとした肌触りのイヤーパッドで、数字以上に軽く感じるのが特徴。

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SONY 「INZONE H9 II」レビューのまとめ

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※画像はイメージです

SONY 「INZONE H9 II」は、初代の「重さ」「マイク」「運用の細部」という弱点を順当に解消し、軽さ・音の見通し・つながり方の自由度を高水準でまとめた“日常使いに強い”フラッグシップでした。

派手な新機能を増やすより、長時間の快適さ判断しやすい定位、そして機器をまたいだ使い勝手を丁寧に磨き込んだアップデート――その実用性が本機の肝です。

総評

  • :XM6系ドライバーと360 Spatial Soundで、微細音と低音の両立前後を含む定位が素直。
  • 快適性約260g+新ヘッドバンド+ハイブリッド・イヤーパッドで長時間でも疲れにくい
  • 通話着脱式・単一指向性ブーム+AIノイズ低減+広帯域聞き取りやすい声を作りやすい。
  • 接続USB-Cドングル低遅延を軸に、Bluetooth同時出力3.5mm有線+ANCまでシーン対応力が高い
  • 運用:PCはINZONE Hubで“作り込み”、スマホはSound Connectで“現場調整”。迷わない二刀流。

こういうユーザーに向く / 気をつけたい点

向く人

  • 対戦中心で低遅延+足音の把握を重視する
  • PS5/PC/携帯機/スマホを行き来して使う
  • VC/配信で聞き取りやすい声物理ミュートの安心感が欲しい
  • 1~3時間を超える長時間セッションが多い

気をつけたい点

  • EQプリセットは3種なので、競技志向はカスタムEQ前提
  • 音声ガイダンスが簡素(ビープ中心)で、最初はモード把握に慣れが必要
  • バッテリーは十分級だが最長級ではない(急速充電 or 有線併用を想定)

迷わない初期セット

シーン接続360SSEQの出発点ねらい
競技FPSUSB-CドングルONFPS-1+2–4kHz +1〜2dB/100Hz −1dB足音と距離感の可視化
協力TPS/アクションUSB-CドングルONFPS-2迫力とセリフの両立
物語/映画的タイトルUSB-CドングルON緩いV字(80–120Hz +1dB/8–10kHz +1dB)没入感重視
通知・通話を重ねたいドングル+Bluetooth同時任意そのまま連絡の取りこぼし防止
無線NG・超長時間3.5mm有線+ANCそのまま静けさ+疲れにくさ

コツは「プリセット起点+2〜3バンドだけ微調整」。やり過ぎは定位を崩しがちです。

SONY 「INZONE H9 II」レビューの総括

  • “毎日使う”を基準に選ぶなら有力候補。軽さ・音・接続の三拍子が実用域で噛み合います。
  • 初代の荒さが取れ、日々の運用でストレスが少ないフラッグシップへ成熟。
  • 一方で、EQプリセットやガイダンスは割り切りがあるため、軽いチューニングと運用の工夫が前提。

SONY 「INZONE H9 II」は、軽さと装着系の再設計、WH-1000XM6系ドライバー、USB-Cドングルの低遅延という要点を実用寄りにまとめ、初代の課題だった長時間の負担やマイク運用の不満をきれいに解消しました。

360 Spatial Soundの個人最適化や有線でも効くANC、ドングル音+Bluetooth音の同時出力、HubとSound Connectの二刀流調整により、PC/PS5/携帯機を跨ぐ日々の運用が迷いなく回ります。

一方で、EQプリセットは3種に留まり、音声ガイダンスは簡素、バッテリーは“必要十分”止まりという割り切りはありますが、軽いEQ微調整と急速充電/有線+ANCの使い分けで容易に吸収可能。

総じて、定位の明瞭さ・装着の快適さ・繋ぎの自由度を高い次元で両立した“毎日使いのフラッグシップ”。

結論――この価格帯でPC/PS5を本気で楽しむなら有力候補です。

最後は、あなたの耳でその軽さと見通しの良い音を確かめてください。

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