近年、ゲーミングキーボード市場では「磁気スイッチ(ホールエフェクトスイッチ)」を搭載したモデルが注目を集めています。
メカニカルスイッチに比べて摩耗が少なく、アクチュエーションポイントを細かく調整できる点がゲーマーから支持を得ており、とりわけFPSなどの競技シーンでは必須とも言える存在になりつつあります。
その中で登場したのが、Pulsar 「PCMK 3HE 60」。
既に高い評価を得ていたPCMK 2シリーズをベースに、よりコンパクトな60%レイアウトへと最適化し、加えてスキャンレートの大幅な向上やラピッドトリガー機能の改善など、実用性とパフォーマンスを兼ね備えた新世代モデルです。
見た目はシンプルながら、CNCアルミ製トッププレートや半透明のボトムケースといった工夫が施され、ゲーミングデバイスらしい存在感と日常的な使いやすさを両立。
さらに専用ソフトウェア「BIBIMBAP」による高度なカスタマイズ性もあり、ライトゲーマーから競技志向のプレイヤーまで幅広く対応できる仕上がりになっています。
この記事では、このPulsar 「PCMK 3HE 60」を実際に触って感じた特徴を整理しながら、デザイン・性能・操作性の観点から詳しくレビューしていきます。
特に「PCMK 2HE」との違いや、他社製磁気スイッチキーボードとの比較を意識しながら読み進めていただければ、購入の判断材料になるはずです。

Pulsar 「PCMK 3HE 60」の概要

Pulsar 「PCMK 3HE 60」は、既存のPCMKシリーズをベースにしながら、60%レイアウト・磁気スイッチ搭載・高スキャンレートを実現した最新モデルです。
机上を広く使いたい人や、競技志向で応答速度を求めるユーザーに向けた一台と言えるでしょう。
ここでは、その特徴を「サイズ・デザイン・付属品と価格」の3つの観点から整理していきます。
サイズと配列の特徴
まず注目すべきは、コンパクトな60%レイアウトです。
テンキーやファンクションキーを省略することで、省スペース性を確保しながらも、FNレイヤーや拡張機能で操作性を補っています。
- レイアウト:60%(JIS配列65キー/ANSI配列あり)
- 寸法:横約296mm × 縦約106mm
- 高さ:手前約25mm、奥約39mm
- 重量:約706g
さらに、左側に配置されたUSB-C端子はケーブルの取り回しに優れ、コイルケーブルとの相性も良好です。
加えて、2段階チルトスタンドを備えており、手首に合わせた角度調整が可能になっています。
デザインとビルドクオリティ
「PCMK 3HE 60」は、シンプルながらも質感と実用性を兼ね備えたデザインです。
- トッププレート:CNCアルミ製で剛性が高く、プレミアム感を演出
- ボトムケース:半透明プラスチックで内部構造が見える仕様。RGBライティングが映えやすい
- 内部構造:多層フォームと10層PCBにより、不要な反響音を抑制
- キーキャップ:PBT二色成形(Cherryプロファイル)で、耐摩耗性とサラサラした触感を両立
また、ホットスワップ対応により、スイッチ交換やメンテナンスも容易。
アンチゴースト・Nキーロールオーバーも搭載されており、競技向けとしても十分な完成度です。
付属品と価格帯
付属品はシンプルながら実用的で、開封してすぐに使えるセット内容となっています。
- 柔らかい布巻きUSB-Cケーブル
- ダストカバー(Pulsarロゴ入り)
- 保護袋、クイックガイド
価格は2万円台中盤が目安で、PCMK2シリーズと同じレンジに収まります。
同価格帯には他社製の磁気スイッチモデルも存在しますが、「PCMK 3HE 60」は「60%レイアウト × 高スキャンレート × 高度なカスタマイズ性」で差別化を図っています。
コアスペックまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
レイアウト | 60%(JIS/ANSI) |
サイズ / 重量 | 約296×106mm / 約706g |
フレーム | CNCアルミトップ + 半透明ボトム |
スイッチ | 磁気スイッチ(リニア、初期荷重約30g、ストローク4.1±0.2mm) |
ポーリングレート | 最大8,000Hz(初期1,000Hz) |
スキャンレート | 約35K(7基のMCUで制御) |
ソフトウェア | Bibimbap(Webベース、配列・RGB・RT設定・マクロ対応) |
機能 | Rapid Trigger、AP調整、Nキーロールオーバー、ホットスワップ |
キーキャップ | PBT二色成形(Cherryプロファイル) |
付属品 | USB-Cケーブル、ダストカバー、保護袋、クイックガイド |
「PCMK 3HE 60」は、コンパクト性・高い応答性能・ビルドクオリティの三拍子が揃ったモデルです。
普段使いの快適さを損なわずに、競技ゲーミングでも戦える仕様を備えているのが大きな特徴といえるでしょう。
Pulsar 「PCMK 3HE 60」のキースイッチと打鍵感

Pulsar 「PCMK 3HE 60」は、従来のメカニカルスイッチでは得られない操作感と調整幅を備えています。
特に磁気スイッチによる軽快な打鍵感、内部構造で整えられた打鍵音、そしてラピッドトリガーとアクチュエーションポイントの柔軟な設定が、このモデルの大きな魅力です。
磁気スイッチの特性
このモデルの心臓部は、GateronとPulsarが共同開発したリニア型の磁気スイッチです。
物理的な接点を持たないため摩耗に強く、微細な押下位置を検知できるのが特徴です。
基本仕様
- タイプ:リニア(クリック感なし、滑らかに押下)
- 初期荷重:約30g(軽快で疲れにくい)
- 総ストローク:約4.1 ± 0.2mm
特徴的な要素
- 軽いタッチで素早い入力が可能
- デュアルレール構造で安定したキーガイド
- 工場ルブが改良され、キー戻り時の金属音が軽減
まとめると、「軽快さ」「耐久性」「精密な調整性」を兼ね備えたスイッチであり、長時間のゲームでも疲れにくく、俊敏な操作に適しています。
打鍵音と静音性
「PCMK 3HE 60」は、アルミトッププレートや内部フォーム構造によって、響きを抑えた落ち着いた打鍵音を実現しています。
音の傾向
- 高音:控えめで耳障りなカチャ音が少ない
- 中音:アルミプレート由来の芯があり、心地よい存在感
- 低音:フォームにより反響が抑えられ、落ち着きのある音色
スタビライザーの完成度
- スペースやエンターキーも初期状態で十分な静音性
- カサつきや横揺れが気になる場合は、軽いルブで改善可能
また、PBT二色成形キーキャップ(Cherryプロファイル)は、サラリとした触感と耐久性を兼ね備え、打鍵音の面でも落ち着きを与えています。
アクチュエーションポイントとラピッドトリガー
このキーボードの競技性を支えるのが、アクチュエーションポイント(AP)とラピッドトリガー(RT)をキーごとに調整できる機能です。
アクチュエーションポイント(AP)
- キーが「入力」と認識される深さ
- 約0.1mmから設定可能で、浅くするほど反応は速い
ラピッドトリガー(RT)
- キーを離した時に「再入力」を受け付けるしきい値
- リリース位置や有効範囲を細かく設定可能
用途別のおすすめ設定例
用途 | 推奨AP | 推奨RT | 特徴 |
---|---|---|---|
FPS(精度重視) | 0.10〜0.15mm | 0.10〜0.15mm | 停止や射撃が安定 |
FPS(高速操作) | 0.05〜0.10mm | 0.05〜0.10mm | 小刻みな連打や素早い反応に有利 |
タイピングや作業 | 0.15〜0.25mm | 0.15〜0.25mm | 誤入力を防ぎ、深めで自然な打鍵感 |
⚠️ 注意点
- 0.01mmなど極端な浅さは理論上可能ですが、環境や個体差で安定性に欠ける場合があります。
- 実用的には0.02〜0.05mm程度から試すのが現実的で、チャタリングや誤入力を防ぎやすいです。
「PCMK 3HE 60」のキースイッチは、軽い操作感・整えられた音・自由度の高いRT/AP調整によって、日常使いと競技ゲーミングの両方に適応できる点が大きな魅力です。
単なる“速いキーボード”にとどまらず、自分好みに細かく調整できる柔軟さこそが、このモデルを特別な存在にしています。
Pulsar 「PCMK 3HE 60」の性能と機能面

「PCMK 3HE 60」は、数値上のハイスペックだけでなく、ユーザーの手に馴染む柔軟な機能性を備えています。
ここでは「入力速度を支える基礎性能」「カスタマイズを可能にするソフトウェア」「60%配列を補完する拡張機能」の3つの側面から解説します。
ポーリングレートとスキャンレート
まず基盤となるのが、入力の“速さ”を決めるスペックです。
ポーリングレート
- 最大8,000Hz(初期設定は1,000Hz)
- 切り替えには専用ソフトが必要で、変更後は再起動が推奨
- 理論上の遅延は約0.125msと非常に低い
スキャンレート
- 約35K(1秒間に3.5万回のキー位置読み取り)
- 7基のMCUで分割制御し、同時押しでも安定性が高い
基本性能
- Nキーロールオーバー/アンチゴースト対応
💡 実用のポイント
高ポーリングは確かに応答性を高めますが、USBハブ経由だと安定しない場合があります。
その場合は直挿し、もしくは4Kあたりまで下げるのが無難です。
ソフトウェア「Bibimbap」
設定はWebブラウザ経由で行うスタイル。初回は必ずファームウェア更新を済ませましょう。
タブ | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
色層(RGB) | ライティング設定 | ウェーブ・レインボーなど多彩なプリセット |
キーマップ | メイン/FNレイヤー配列変更 | 最大3つのプロファイルを切替可能 |
パフォーマンス | AP/RT/有効範囲設定 | 「全て選択」を押すと調整画面が出現 |
拡張キー | DKS/Mod Tap/Quick Tap | 60%の不足キーを補う仕組み |
マクロ | 記録・編集・割当 | 繰り返し操作を一括化 |
設定 | ポーリング切替、キャリブレーション | PadモードやSOCD設定もここから |
初回セットアップの流れ
- ファームウェア更新
- ポーリングを8Kへ変更
- キャリブレーション実行
- AP/RTを仮設定(例:AP 0.10mm/RT 0.10mm)
- 矢印キーなどをMod Tapで割り当て
- RGBやマクロを好みに保存
拡張機能で広がる使い方
60%レイアウトはキー数が少ないため、拡張機能の活用が快適性を左右します。
Mod Tap
- タップで通常入力、ホールドで修飾キー
- 矢印キーやショートカット割当で操作効率が向上
DKS(Dynamic Keystroke)
- 押下の深さに応じて異なる動作を設定
- 例:浅押し=歩き、深押し=走り
Quick Tap
- 軽いタップだけで即入力、連打操作に便利
トグルキー
- ワンタッチでON/OFFを切替
SOCD制御
- 同時押しの入力中和機能、競技ルール対策に有効
用途別おすすめ設定例
シーン | AP | RT | 併用機能 | 効果 |
---|---|---|---|---|
FPS(精度重視) | 0.10〜0.15mm | 0.10〜0.15mm | Mod Tap矢印、DKS浅押し=歩き | 停止精度と安定性 |
FPS(高速操作) | 0.05〜0.10mm | 0.05〜0.10mm | Quick Tap、RT終端浅め | 連打や高速リリース |
作業・タイピング | 0.15〜0.25mm | 0.15〜0.25mm | Mod Tapでショートカット割当 | 誤入力を防ぎ疲労を軽減 |
「PCMK 3HE 60」は、
- 8Kポーリング × 35Kスキャンというハード性能
- WebベースのBibimbapでの柔軟な設定
- 拡張機能による60%レイアウトの補完
この3点が揃うことで、ゲーマーにもクリエイターにも対応できるキーボードに仕上がっています。
数値的な速さだけでなく、ユーザーごとに最適化できる余地が大きい点こそ、このモデルの真価といえるでしょう。
Pulsar 「PCMK 3HE 60」を使用した私の体験談・レビュー

Pulsar 「PCMK 3HE 60」を実際に使い込み、ゲームと日常作業の両方で試した中で感じたことをまとめます。
単なる「速さ」や「静音性」だけではなく、設定次第でどこまで使いやすくできるかが、このモデルの醍醐味だと感じました。
初期セットアップでの印象
開封してから最初の設定を終えるまでで、良かった点と少し戸惑った点がありました。
良かった点
- Webベースのソフト「Bibimbap」は直感的で操作しやすい
- USB-C端子が左側にあるため、ケーブル取り回しが快適
- チルトスタンドが2段階あり、手首の角度を自分に合わせやすい
戸惑った点
- ポーリングレート変更後に再起動が必要な点に気づきにくい
- パフォーマンス設定画面で「全て選択」を押さないとAP/RT調整項目が表示されない
最初は少し不親切に感じる部分もありましたが、慣れるとセットアップはスムーズに進められました。
ゲームでの使用感(FPS想定)
FPSでの移動や射撃では、アクチュエーションポイント(AP)とラピッドトリガー(RT)の調整がプレイ体験を大きく左右しました。
設定の進め方
- 初期値をAP 0.10mm/RT 0.10mmに設定
- 実際にプレイして停止精度や切り返しのスムーズさを確認
- 必要に応じて+0.01〜0.02mm単位で微調整
体感
- 浅すぎる設定は確かに速いが、安定感に欠ける
- APとRTを揃えるとストッピングが自然に決まりやすい
- DKS機能で「浅押し=歩き」「深押し=走り」と設定すると操作の幅が広がった
作業やタイピングでの使用感
文章入力や資料作成では、深めの設定が誤入力を減らし、打鍵の安定感に繋がりました。
クラスタ別の設定目安
- WASDや修飾キー:0.08〜0.12mm(素早い反応を重視)
- スペース/エンター/バックスペース:0.15〜0.25mm(誤入力防止)
- 数字や記号キー:0.12〜0.18mm(打ちやすさと精度のバランス)
静音面での工夫
- デスクマットを敷くと高音の響きが軽減
- キーの端押しで違和感を感じた場合は軽くルブで改善可能
結果として、ゲームと作業でプロファイルを切り替えることで、両立が可能だと感じました。
拡張機能の活用
60%配列の弱点である「キー不足」は、拡張機能を使うことでほとんど解消できました。
- Mod Tap:ホームポジションのまま矢印キーを呼び出せるのが便利
- Quick Tap:短押しだけで入力できるため、連打系の操作に役立つ
- トグルキー:マイクミュートや録画ON/OFFなど、作業効率が上がる
⚙️ 判定時間は30〜50msから調整すると、誤爆せずスムーズに使えました。
最終的に落ち着いた設定(プロファイル例)
用途 | キーエリア | AP | RT | 併用機能 | 狙い |
---|---|---|---|---|---|
ゲーム | WASD/スペース | 0.10〜0.12mm | 0.10〜0.12mm | RT終端を浅めに設定 | 素早い切り返しと安定した停止 |
ゲーム | 数字/アビリティキー | 0.10〜0.15mm | 0.10〜0.15mm | Quick Tap | 即時反応で誤操作防止 |
作業 | 文字/記号キー | 0.12〜0.18mm | 0.12〜0.18mm | ― | タイピング精度を重視 |
作業 | スペース/エンター/BS | 0.18〜0.25mm | 0.18〜0.25mm | ― | 誤入力を抑えて快適に入力 |
共通 | H/J/K/L → 矢印 | 元キー基準 | 元キー基準 | Mod Tap | ホームポジション維持 |
総合的な感想
良かった点
- AP/RTを詰めることで、自分の手癖に合わせた操作感が得られる
- 拡張機能のおかげで60%配列でも不便を感じにくい
- 静音性と軽快さのバランスが良く、作業とゲームの両方に適応
改善してほしい点
- 極端な浅さ(0.01mm)の設定は安定性にばらつきがある
- 設定画面の分かりにくさや再起動の手間はもう少し改善してほしい
「PCMK 3HE 60」は、単に「速い」だけのキーボードではなく、ユーザー自身が調整して完成させる道具だと感じました。
ゲームでも作業でも快適に使うためには、極端に浅い設定を追うのではなく、0.10mm前後から段階的に調整していくことが、一番安定した体験へ繋がると実感しました。
Pulsar 「PCMK 3HE 60」に関するQ&A

Pulsar 「PCMK 3HE 60」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「PCMK 3HE 60」と「PCMK 2HE」の違いは何ですか?
大きな違いはレイアウトと内部性能です。PCMK 3HE 60は60%配列にコンパクト化され、スキャンレートが35Kへ向上。さらに工場ルブの改善や拡張機能の追加で、操作性が一段と洗練されています。
60%配列は矢印キーやファンクションキーがなくて不便では?
標準では省略されていますが、Mod TapやFNレイヤーで補完可能です。特に矢印キーをホームポジションに割り当てられるため、慣れると逆に効率が良くなる場合もあります。
磁気スイッチはメカニカルスイッチと何が違うのですか?
接点を使わずに磁力で押下位置を検知するため、摩耗に強く、アクチュエーションポイントを自由に調整できるのが特徴です。結果として耐久性が高く、より細かい入力制御が可能になります。
ラピッドトリガー(RT)とは何ですか?
キーを押し込んだあと「どこでリリースと判断するか」を設定できる機能です。これによりキーを完全に戻さなくても再入力でき、素早いストップ&ゴーが可能になります。FPSなどの競技ゲームで特に有利です。
初心者でもAPやRTの調整は必要ですか?
まずはデフォルト(AP 0.10mm/RT 0.10mm)で十分です。そこから「もっと速く」「誤爆を減らしたい」など目的が出てきたら少しずつ調整していくと、自分に合った最適値が見つかります。
タイピング用途でも使いやすいですか?
はい。APを深め(0.15〜0.25mm)に設定すれば、誤入力を防ぎながら自然な打鍵感が得られます。静音性も比較的高いため、オフィスや自宅作業でも違和感なく使えます。
ソフトウェアはPCにインストールが必要ですか?
専用ソフト「Bibimbap」はWebベースなので、インストール不要です。ブラウザからアクセスし、キーマップ変更やRGB、AP/RT設定などを行えます。
他社の磁気スイッチキーボードと比べてどうですか?
他社モデルに比べると「Webソフトでの扱いやすさ」「ルブ改善による打鍵音のまとまり」「60%レイアウトの省スペース性」が強みです。一方、極端な浅さ(0.01mm)設定は安定性が個体差に左右されやすい点に注意が必要です。
多重入力やチャタリングのような症状が出ることはありますか?
極端に浅い設定(APやRTを0.01〜0.02mmにした場合)で発生しやすい傾向があります。その際は+0.01〜0.02mm戻して再キャリブレーションを行うと安定しやすくなります。
APやRTを調整しても反応が不安定なのはなぜですか?
キャリブレーションを再実行していないことが原因になりやすいです。環境を変えたり数値を大きく動かした後は、必ずキャリブレーションを実施するのがおすすめです。
日本語配列と英語配列、どちらを選ぶのがおすすめですか?
日本語配列は慣れやすく記号入力も直感的ですが、キー数が65と増えるためやや窮屈に感じる場合があります。英語配列はキー数が少なくレイアウトがシンプルなので、ゲーム中心なら英語配列、作業やタイピング中心なら日本語配列がおすすめです。
LEDライティングはどの程度カスタマイズできますか?
Webソフトからウェーブ・レインボー・タッチ・ランダムなど多彩なプリセットを選択可能で、速度や方向も細かく調整できます。作業時は低輝度の単色にすると集中力を妨げにくいです。
長時間のタイピングで疲れやすくありませんか?
初期荷重が約30gと軽いため、長時間でも比較的疲れにくい設計です。ただし浅すぎる設定は誤入力につながりやすいので、作業モードではAP/RTを深め(0.15〜0.25mm)に設定すると快適です。
Pulsar 「PCMK 3HE 60」レビューのまとめ

Pulsar 「PCMK 3HE 60」は、60%レイアウトに磁気スイッチを組み合わせ、コンパクトさと高性能を両立させたゲーミングキーボードです。
8Kポーリングや35Kスキャンレートといったスペックだけでなく、RT/APの柔軟な調整や拡張機能の豊富さによって、ユーザーごとに最適な操作感へ仕上げられる点が大きな魅力でした。
良かった点と改善してほしい点
良かった点
- 調整幅の広さ:AP/RTをキー単位で変更でき、競技用途からタイピングまで対応
- 高速性能:8Kポーリング × 35Kスキャン × 7MCUで入力遅延を最小化
- 質感の高さ:CNCアルミトップ、半透明ボトム、多層フォーム構造による安定感
- 運用しやすさ:PBT二色成形キーキャップ、左側USB-C、2段階チルトスタンド
改善してほしい点
- 極端に浅い設定(0.01mm帯)は個体差や環境で安定しにくい
- 初期状態が1,000Hzのため、8Kに切り替えるにはソフトでの設定と再起動が必須
- 60%配列特有のレイヤー運用に慣れが必要
おすすめできる人・向かない人
おすすめできる人
- デスクを広く使いたい人、60%レイアウトを活かしたい人
- FPSなどでストッピングや高速リリースを詰めたいゲーマー
- ゲームと作業の両立を考え、プロファイルを切り替えて使いたいユーザー
向かない人
- ファンクションキーや矢印キーを物理キーで常用する人
- 設定や数値調整に時間をかけたくない人
初期セットアップでやるべきこと
- Bibimbapを最新化(ファーム更新の確認)
- ポーリングを8,000Hzに切替(再起動が必要)
- キャリブレーションを実施
- AP/RTを0.10mm前後から調整開始
- Mod Tapで矢印キー割当(判定時間は30〜50msが目安)
- ゲーム用/作業用でプロファイルを保存
用途別おすすめ設定例
用途 | AP | RT | 補足 |
---|---|---|---|
FPS(止まり重視) | 0.10〜0.15mm | 0.10〜0.15mm | RT終端を底面より浅めに設定 |
FPS(連打・高速操作) | 0.05〜0.10mm | 0.05〜0.10mm | Quick Tap活用で反応性を強化 |
タイピング・作業 | 0.15〜0.25mm | 0.15〜0.25mm | 誤入力を防ぎつつ自然な打鍵感 |
Pulsar 「PCMK 3HE 60」レビューの総括
Pulsar 「PCMK 3HE 60」は、コンパクトな60%レイアウトに最新の磁気スイッチを組み合わせ、ゲーミングから日常作業まで幅広いシーンに応える完成度の高いキーボードでした。
高速なポーリングレートや精密なスキャン性能により反応速度は申し分なく、APやRTを細かく調整できる柔軟性が加わることで、自分の手癖や用途に合わせて最適な操作感を作り出せます。
さらに、アルミプレートや多層フォームによる安定感のある打鍵音や、Webベースで直感的に扱えるソフトウェアの存在も、日々の使用を快適にしてくれる要素となっていました。
レイヤー運用や設定作業に少し慣れが必要ではありますが、その過程自体を楽しみ、自分だけの最適解を見つけていける人にこそ、このキーボードは大きな満足を与えてくれるでしょう。
数値の速さと設定の自由度を武器に、自分だけの操作感を築き上げたい方に、Pulsar 「PCMK 3HE 60」は間違いなくおすすめできる一台です。

・Pulsar 「PCMK2 HE TKL」レビュー|ラピッドトリガー×日本語配列の最強ゲーミングキーボード
・Razer 「Huntsman V3 Pro TKL」徹底レビュー!FPS最強キーボードの性能と使用感を解説
・Logicool 「G PRO X TKL RAPID」 レビュー|ラピッドトリガー搭載の実力を徹底検証!
・IQUNIX 「EZ80」の実力を徹底レビュー|高精度ラピトリ・打鍵感・デザイン全解説
・Ducky 「One X Mini Wireless」徹底レビュー|誘導式スイッチ搭載の最新60%ワイヤレスキーボード
・Keychron 「Q1 HE」の評価は?磁気式スイッチ&カスタマイズ性抜群の75%キーボードを徹底レビュー
・【徹底レビュー】ELECOM GAMING 「VK720AL」を実機検証|ラピッドトリガー&薄型設計の実力とは?
・LUMINKEY 「Magger 68 HE Performance」の実力は?ラピッドトリガー&0.02mm調整対応キーボードの使用感を徹底レビュー!
・Endgame Gear 「KB65HE」レビュー!ラピッドトリガー搭載の高性能ゲーミングキーボードを徹底解説
・DrunkDeer 「A75 Ultra」と「A75 Master」レビュー|違い・選び方・使用感を本音で徹底解説
・【徹底レビュー】DrunkDeer 「G75」の性能・使用感・設定方法を完全解説!ラピッドトリガー対応の最強コスパ機種とは?
・【徹底レビュー】ASUS 「ROG Falchion Ace HFX」の実力とは?ラピッドトリガー対応キーボードの全貌を解説
・ゲーミングキーボードと普通のキーボードの違いとは?後悔しない選び方を詳しく解説!