近年、ゲーミングキーボード市場では「磁気式(磁界検知式)」という新しいキースイッチの技術が注目を集めています。
中でも話題となっているのが、MelGeek(メルギーク)から登場した「MADE68 Ultra」です。
本モデルは、MelGeekのMADE68シリーズにおける最上位モデルにあたり、アルミニウム筐体とPBTキーキャップといった高級素材を採用し、見た目・質感の両面で格段の進化を遂げています。
「MADE68 Ultra」は、見た目のかっこよさだけでなく、ゲーム用途に特化した性能の高さでも評価されており、アクチュエーションポイントの0.1mm単位調整やラピッドトリガー機能の搭載により、従来のメカニカルキーボードでは体感できなかった“キビキビ感”を実現します。
この記事では、そんなMelGeek 「MADE68 Ultra」について、デザイン面の進化からタイピングの打鍵感、ゲーミングパフォーマンス、そしてソフトウェアの使い勝手までを詳細にレビューしていきます。
単なる見た目のアップグレードにとどまらない、実用性と所有欲を満たすその実力をぜひチェックしてみてください。

MelGeek 「MADE68 Ultra」とはどんなキーボードか

項目 | 内容 |
---|---|
接続方式 | USB Type-C(有線専用) |
レイアウト | 65% 英語配列(ANSI) |
キースイッチ | 磁気式スイッチ(TTC Kモジュール搭載) |
キー数 | 約68キー |
ホットスワップ対応 | あり |
アクチュエーションポイント調整 | 可能(0.1mm〜) |
ラピッドトリガー機能 | あり(最小感度 0.01mm) |
ボトムデッドゾーン調整 | あり(0〜0.07mm) |
キャリブレーション | 自動/手動両対応 |
キーキャップ素材 | PBT(厚さ約1.5mm) |
ケース素材 | CNC削り出しアルミ合金 |
タイピング角度 | 約6度(チルトスタンドなし) |
スタビライザー | プレミアムクラス(バネ鳴り・金属音対策済) |
LEDライティング | 白色LED(発光調整・パターン変更可能) |
サイズ | 311.7mm × 114.4mm × 31.6mm |
重量 | 約1.3kg(素材構成により前後あり) |
MelGeek 「MADE68 Ultra」は、同社のMADE68シリーズにおける最上位モデルであり、性能と外観の両面においてプレミアムな位置づけにあります。
以下では、このキーボードの特徴や魅力を詳しく解説していきます。
シリーズ内での位置づけと特徴
MelGeekのMADE68シリーズは、以下のように3つのバリエーションで展開されています。
モデル名 | 主な特徴 | 素材構成 | 価格帯 |
---|---|---|---|
MADE68(無印) | 標準モデル | プラスチック筐体 | 約1万5千円前後 |
MADE68 Pro | 機能強化モデル(性能向上) | プラスチック筐体 | 約2万円前後 |
MADE68 Ultra | 上記の最上位・質感重視モデル | アルミ筐体 | 約3万円前後 |
- Proと同等のパフォーマンスに加えて、アルミケース、PBTキーキャップなどの素材がプレミアム仕様にアップグレードされています。
- 特にゲーム向け機能(アクチュエーションポイント調整、ラピッドトリガーなど)はProと共通です。
高級感を演出する素材とデザイン
「MADE68 Ultra」の特筆すべき点は、筐体やキーキャップに使われている素材の質感と加工精度です。
- ケース全体:アルミニウム合金製
- 一体感のあるメタリックな美しさと、ずっしりとした重量感を両立。
- デスク上で安定感があり、安価なプラスチック製のキーボードとは一線を画します。
- キーキャップ:PBT素材(Dye-Sub加工)
- 耐摩耗性が高く、長期間使ってもテカリにくい。
- ABS製に比べてマットでしっとりした触感が得られる。
- フォントデザイン:細身でスタイリッシュな新デザイン
- 無印/Proモデルの“ポップ”な印象から、洗練された外観へと進化しています。
さらに、サイドパネルに模様が施されており、見る角度によって輝きが変わるなど、外観へのこだわりも強く感じられます。
カラーバリエーションと外観の魅力
「MADE68 Ultra」は、カラー展開にも力を入れており、ブラックやホワイトのモノトーン系だけでなく、ビビッドなグリーンやレッドなどの個性派カラーもラインナップされています。
- カラーバリエーション:
- Anodized Black
- lectrophoresis White
- Anodized Silver
- ライトボックス(背面パネル):
- 電源を入れていなくても装飾としての存在感があり、LED点灯時には一層映える設計です。
- ライトの明るさや色合いは控えめで、「ギラつかずに映える」絶妙なバランスとなっています。
「MADE68 Ultra」は、見た目と手触り、そして所有感にこだわる層に刺さる製品です。
Proモデルと同等の機能を持ちつつ、「質感重視」で選びたいユーザーに向けた提案となっています。
MelGeek 「MADE68 Ultra」タイピングの打鍵感と音の違い

MelGeek 「MADE68 Ultra」は、打鍵感やタイピング音の面でも、これまでのMADE68シリーズから大きく進化しています。
特に「静音性・安定性・打鍵の滑らかさ」という点においては、ハイエンドモデルにふさわしい仕上がりです。ここでは、その特徴を細かく分析していきます。
TTC KOMモジュールによる打感
「MADE68 Ultra」にはTTC製の磁気スイッチ(TTC KOMモジュール)が標準搭載されており、磁界変化によってキー入力を検知する「磁気式スイッチ」ならではの精密さが特徴です。
- 打鍵感の特徴
- 押下時の荷重が一定で、引っかかりやストロークのムラが少ない
- 押し込みは軽めだが、底打ちはやや硬めの感触
- スイッチの信頼性
- 接点が物理的に擦れないため、耐久性が非常に高い
- 微細な入力変化にも素早く反応できるため、ミス入力が減少
このTTC KOMスイッチは、Proモデルでも採用されていますが、Ultraではケース素材と内部構造の違いにより、打鍵全体の印象が変わってきます。
打鍵音の特徴と静音性
「MADE68 Ultra」は、底打ち音が明らかに低く抑えられており、耳障りなノイズが少ないのが特徴です。
比較項目 | MADE68 Pro | MADE68 Ultra |
---|---|---|
底打ち音の高さ | やや高め(硬い音が響く) | 抑えめで落ち着いた音 |
スタビライザーの鳴き | やや気になる部分あり | 改善されておりほぼ気にならない |
全体の音量 | やや大きめ | 控えめでシャープ |
音のバランス | 中高音寄り | 低音寄り・まとまりがある音質 |
特にスタビライザーの改良が大きく、長文入力やゲーム中の連打操作でも金属音やバネ鳴りが感じにくくなっています。
通常モデルとの比較による変化
「MADE68 Ultra」は、無印モデルやProモデルと比較して、以下のような打鍵環境の改善がみられます:
- キーボード筐体がアルミ製に変化
- プラスチック筐体と比べて「打鍵時の共振が少ない」
→ 振動が吸収されやすく、音がこもらずクリア
- プラスチック筐体と比べて「打鍵時の共振が少ない」
- キーキャップがPBT素材に変更
- ABSよりも滑りにくく、しっとりとした触感
- 厚み(約1.5mm)もあり、指に当たった時の感触が重厚
- キーストロークの安定性
- 個々のキーがしっかり固定されており、ぐらつきが少ない
- 高速入力でもキーの跳ね返りが安定
打鍵印象まとめ
- 良い点:
- 静かで落ち着いた音が心地よく、長時間タイピングにも向いている
- ストローク全体に統一感があり、指に吸い付くような感覚
- スタビライザー周りの改良で、スペースキーやエンターキーの音が締まっている
- 気になる点:
- 底打ちの硬さが気になる人にはやや“硬派すぎる”印象もあり
- ソフトで柔らかい感触を好むユーザーには、Proの方が適する可能性も
「MADE68 Ultra」のタイピング体験は、まさに高級キーボードの理想形に近づいています。
TTC KOMスイッチとアルミボディの組み合わせにより、「打ちやすさ・音・安定感」すべてがワンランク上の水準。
打鍵感や音にこだわるユーザーにとって、非常に満足度の高い選択肢となるでしょう。
MelGeek 「MADE68 Ultra」のゲーミング性能とソフトウェア機能

MelGeek 「MADE68 Ultra」は、ただの高級タイピングキーボードではありません。
競技レベルのFPSやアクションゲームにも対応するゲーミング特化型の機能を数多く搭載しており、最新の磁気式スイッチ技術による「ラピッドトリガー」や「アクチュエーションポイント調整」など、勝利に直結する要素が詰め込まれています。
さらに、専用ソフトウェア「MelGeek Hub」により、複雑な設定も直感的に行えるUIが用意されており、プロゲーマーはもちろん、初心者でも扱いやすい設計が魅力です。
アクチュエーションポイントとラピッドトリガー
「MADE68 Ultra」におけるゲーミング機能の要となるのが、アクチュエーションポイント(作動点)の調整とラピッドトリガー(RT)です。
◆ アクチュエーションポイントの調整機能
機能項目 | 内容 |
---|---|
最小調整幅 | 0.1mm単位(0.1mm〜3.6mm) |
特徴 | 押し込む深さによってキー入力が発動する位置を指定可能 |
ゲームでの恩恵 | 入力の“早さ”や“ミスの軽減”に直結 |
たとえば、ジャンプ・しゃがみを細かく使い分けるAPEXのスーパージャンプ入力では、ジャンプキーを浅く、しゃがみキーを深く設定することで“入力順を制御”できます。
◆ ラピッドトリガー機能(Rapid Trigger)
項目 | 内容 |
---|---|
最小反応幅 | 0.01mmから設定可能(メーカー推奨は0.04mm〜) |
特徴 | キーを完全に戻さなくても再入力可能な機構 |
恩恵を受ける場面 | 連打、移動キャンセル、ストッピング(Valorant等) |
- 磁気式センサーにより、物理接点のない入力のON/OFFが非常に正確かつ高速
- 通常のメカニカルとは違い、わずかな指の動きで“即座に反応”
このような高度な制御により、「連打してもキーが詰まらない」「歩行キャンセルが瞬時に反映される」といった、PvPにおける明確なアドバンテージを得られます。
遅延性能とキャリブレーションの正確さ
「MADE68 Ultra」の反応速度は、競合製品と比較してもトップクラスの低遅延を誇ります。
指標 | 数値(平均) | 備考 |
---|---|---|
入力遅延 | 約0.21ms〜0.22ms | 人間が知覚できないレベルの応答速度 |
ボトムデッドゾーン調整幅 | 最小0.0mm、最大0.07mm | 打鍵の切れを細かく調整可能 |
キャリブレーション | 自動 / 手動 両方対応 | スイッチごとの精度調整が可能 |
- 遅延の少なさは、タイミングがシビアなFPSや格ゲーで特に恩恵が大きい
- 手動+自動キャリブレーションの組み合わせで、精密な反応チューニングが可能
MelGeek HubのUIと拡張性
「MADE68 Ultra」の各種設定は、MelGeek製の専用アプリケーション「MelGeek Hub」によって直感的に操作できます。
◆ 主な機能
機能名 | 内容例 |
---|---|
キーごとのAP/RT設定 | すべてのキーに個別アクチュエーション/RTを設定 |
キャリブレーション | 自動キャリブレーション+手動微調整対応 |
ソフトウェアアップデート | ワンクリックで可能(従来のような手動DL不要) |
キーバインドの変更 | Windows / Mac 配列変更、レイヤーキー設定、Fn配置も自由 |
SOCD(同時押し対策) | 対応キーを選択するだけで有効化可能 |
- 初心者でもわかりやすいビジュアルUI
- ゲーム用途だけでなく、仕事・映像編集などにも対応できる汎用性
◆ 拡張性
- ホットスワップ対応:多彩なスイッチを取り付け可能
- LED制御:RGBライティングの色やパターン変更にも対応(落ち着いた発光が特徴)
ゲーミング性能まとめ
項目 | 評価 |
---|---|
入力反応速度 | ◎(0.21ms〜) |
アクチュエーション・RT調整 | ◎(自由度が非常に高い) |
ソフトウェアの扱いやすさ | ○(UIが直感的で初心者にも優しい) |
キーの交換性・拡張性 | ◎(ホットスワップ対応) |
全体の競技向け完成度 | ◎(eスポーツ向けでも通用) |
MelGeek 「MADE68 Ultra」を使用した私の体験談・レビュー

これまでWooting、SteelSeries、Razerなど、ラピッドトリガー対応キーボードを複数台運用してきた経験があります。
特にFPSタイトルでのキャラコン精度・連打感度・射撃までのスピードを重視しており、日々のゲーム・検証・執筆作業においても、そうしたデバイスの挙動にはかなり敏感です。
その前提で、MelGeek 「MADE68 Ultra」を実際に導入し、ゲーム・日常使用の両面から試してみた所感をお伝えします。
ゲームでの使用感(RT感度・AP調整の実用度)
まず結論から言うと、RT(ラピッドトリガー)の挙動とカスタマイズ性は非常に高水準です。
0.01mm〜0.1mmまで設定可能な調整幅に加えて、アクチュエーションポイント(AP)とボトムデッドゾーンの自由度もあり、他社の磁気式製品と比較しても引けを取らないレベルです。
- RTは0.01mmでも安定作動
→ Wootingのような“即反応型”に匹敵する挙動。
→ ジャンプキャンセル、ストッピング操作もストレスなく反映。 - AP/SOCDの設定がシンプルかつ的確
→ MelGeek HubのUIが直感的で、1キーずつ調整できる点が便利。
→ WASDを0.1mm設定にしても誤爆なし。VALORANTでも精度良好。 - ストッピングの効きが体感できる
→ キーを「完全に戻さなくていい」快適さは、既知のRT製品と同等。
→ 特にタップストレイフ、ピボット系入力が明らかに楽になります。
とはいえ、RTオフ状態での底打ち感は若干硬めに感じました。
ラピッドトリガーをオフにして打鍵フィードバックを楽しむ層には、やや剛性感が強すぎる印象を受けるかもしれません。
比較的印象的だった点(他社製品との違い)
項目 | MelGeek MADE68 Ultra | 一般的なRT搭載モデル |
---|---|---|
ラピッドトリガー挙動 | 非常に安定(0.01mmでも誤作動なし) | 同様に安定だが一部モデルは再調整が必要 |
UIソフトウェア | わかりやすく、UIが直感的 | 高機能だがやや学習コストが必要 |
打鍵の硬さ | やや剛性強め、振動吸収性は高い | 柔らかめ、スムーズな押下 |
キーボードの質感 | アルミ筐体+PBTで非常に高級感あり | 樹脂製が多く軽量寄り |
搭載スイッチ(標準) | TTC KOMシリーズ(精度◎) | Lekker/Gateron磁気スイッチなど(多様) |
RT機能に関しては、設定項目・安定感・精度の面で上位水準ですが、打鍵感に関しては“柔らかさ”を重視する人には好みが分かれるかもしれません。
デイリーユース:作業・タイピングの感触
意外な驚きだったのは、ゲーミング用途に寄った設計でありながら、文章入力や動画編集でも快適だった点です。
- 静音性が高く、作業用にも適応
- スタビライザーの金属音がほぼ消されており、キー入力音がこもりがちでなく心地よい
- PBTキーキャップの質感が良く、汗によるベタつきも起きにくい
- 長時間タイピングしても指が疲れにくい
- 底打ちの衝撃がほどよく吸収されており、ストレスのない打鍵感が保たれる
FPSやRTSの合間に文書作成や編集を行うハイブリッドユーザーにとって、1台で両立できる選択肢として非常に優秀だと感じました。
使ってみた感想の総括
他社のRT搭載キーボードをいくつも試してきた中でも、MelGeek 「MADE68 Ultra」は「性能・質感・実用性」を高次元でバランスさせた稀有なモデルです。
特に評価したいのは以下の3点:
- RTとAPの安定感と設定自由度
- 高級感のある筐体・デザインと優れたビルドクオリティ
- ゲーミング+作業の両方に対応できる静音性と打鍵快適性
いわゆる「勝つためのデバイス」としてのポテンシャルに加え、所有欲を満たす完成度の高さがあり、デスクの主役になれる一本だと実感しました。
MelGeek 「MADE68 Ultra」に関するQ&A

MelGeek 「MADE68 Ultra」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「MADE68 Ultra」と「MADE68 Pro」の最大の違いは何ですか?
両モデルは基本的な機能・性能は同等ですが、筐体素材とキーキャップの質感が大きく異なります。Ultraはアルミ製ケースとPBTキーキャップを採用しており、見た目の高級感や打鍵時の安定性に優れています。
ラピッドトリガーの調整は初心者でも扱えますか?
専用ソフトウェア「MelGeek Hub」には直感的なGUIが備わっており、各キーごとの調整が簡単に行えます。初めての方でも、プリセットを活用すればすぐに最適な設定を体感できます。
メカニカルキーボードと比べて何が違うの?
磁気式キーボードは、物理接点がないため、耐久性が高く、より精密な入力制御が可能です。特にラピッドトリガーによる再入力の速さや、0.1mm単位のアクチュエーション調整はメカニカルでは実現できません。
ソフトウェアのインストールは必須ですか?
基本的な入力には不要ですが、ラピッドトリガーやアクチュエーションポイントの調整、LEDのカスタマイズを行うにはソフトの使用が必須です。設定後はオンボードに保存されるため、再設定不要で他のPCでも使用できます。
MacやiPadにも対応していますか?
対応しています。Mac用キーキャップ(Option、Command)も同梱されており、配列変更もソフトウェア上で簡単に可能です。ただし、ソフトウェア機能はWindows専用なので、設定はWindowsで行う必要があります。
ゲーミング用としてのコスパは良いですか?
約3万円という価格帯はやや高めですが、ラピッドトリガー搭載機としてはトップクラスの性能・質感・拡張性を備えており、十分に価格に見合う内容です。特に、打鍵感や外観にもこだわりたいユーザーにとっては“買って損のない一台”と言えるでしょう。
重量はどのくらいありますか?持ち運びには不向きですか?
アルミ筐体のため、「MADE68 Ultra」は1kgを超える重量感があります。据え置き使用に最適化されており、頻繁な持ち運びには向きません。ただし、その重さが打鍵中の安定感を生んでいます。
無線接続には対応していますか?
USB Type-Cによる有線接続のみ対応です。ラグの少ないゲーミング環境を重視しているため、無線機能は搭載されていません。
LEDライティングはどの程度カスタマイズできますか?
ソフトウェア上で複数の発光パターン・色変更・明るさ調整が可能です。ただし、RGBが派手に点滅するようなゲーミング感ではなく、落ち着いた発光がベースです。静かな雰囲気が好みの方には最適です。
タイピング角度の調整はできますか?
チルトスタンドは付属しておらず、固定角度(約6°)での使用となります。角度の微調整が必要な場合は、別売りのリストレストや角度調整パッドの使用をおすすめします。
ソフトウェアは日本語対応していますか?
現時点では英語UIのみ対応ですが、アイコンや操作設計が直感的なため、英語に不慣れでも使用は難しくありません。設定マニュアルも公式サイトで確認可能です。
静音性はどの程度ありますか?在宅勤務にも使えますか?
金属音やバネ鳴りが非常に少なく、音のトーンも控えめな中低音寄りです。声の入る会議中でも問題にならない程度の音量で、在宅ワークや深夜作業にも適しています。
初めて磁気式キーボードを使う人に向いていますか?
MelGeek HubのUIは扱いやすく、プリセットも豊富に用意されています。初めてでもRTやAP調整の効果を実感しやすい構成のため、エントリーユーザーにもおすすめできます。
MelGeek 「MADE68 Ultra」レビューのまとめ

MelGeek 「MADE68 Ultra」は、磁気式スイッチ技術の最前線にある機能性と、ハイエンドモデルにふさわしい質感・デザイン性を兼ね備えた次世代キーボードです。
ゲーミング性能の高さはもちろん、タイピング用途や日常使用においても極めて高い満足度を提供してくれる製品でした。
以下では、レビューを通じて明らかになったポイントを、「性能」「設計」「実用性」「比較優位」「懸念点」という5つの切り口から整理していきます。
【1】ゲーミング性能:競技レベルの操作精度を提供
- ラピッドトリガーが極めて優秀
- 0.01mm〜調整可能。押し込み→戻しの挙動が非常に安定し、移動キャンセル・連打・ストッピングなどに直結。
- アクチュエーションポイント(AP)の個別調整
- 各キーに応じて反応点を個別に設定可能。浅い入力で即反応、深い押下で確実な入力など細かくチューニングできる。
- 低遅延:0.21ms前後の応答速度
- 他のハイエンド機と比べてもトップレベル。入力ラグによるストレスはほぼ皆無。
- SOCD、キャリブレーション対応
- A+DやW+Sなどの排他入力(同時押し)にも対応し、意図した通りのキャラコンが可能。
⇒ APEXやVALORANTといったPvPタイトルで、“手元の反応速度が勝敗に直結する”ような状況に強い。
【2】設計・ビルドクオリティ:所有感を満たす高品質な素材とデザイン
- ケースは高精度なCNC加工のアルミ合金
- 金属的な美しさとずっしりとした安定感があり、プラスチック筐体とは一線を画す上質な仕上がり。
- PBTキーキャップ採用(厚み約1.5mm)
- 打鍵時の摩擦感が心地よく、汗をかいても滑りにくい。長時間でも快適な触感を保つ。
- サイドや背面の装飾パネル
- 見た目の華やかさとカスタム感を演出しつつ、ギラつかず落ち着いたLED表現が秀逸。
- キー配列:英語65%レイアウト(Fnキーで機能拡張)
- コンパクトでありながら、ゲームにもタイピングにも十分対応できる配置。
⇒ 性能だけでなく、外観の“所有価値”が高いキーボードを求める層にも強く刺さる設計。
【3】実用性:ゲームと仕事を両立できる万能機
- 静音性が非常に高い
- 底打ち音が落ち着いていて、金属のカチャカチャ音やバネ鳴りが皆無。在宅ワークや深夜の使用でも問題なし。
- 長時間の使用でも疲れにくい打鍵感
- 打鍵の初動が軽く、反発も程よいため、タイピング作業や編集用途にも向く。
- USB Type-C接続で抜き差しもスムーズ
- 有線一本で安定動作。ケーブルは着脱式で、デスク周りの整理もしやすい。
- ソフトウェアはMelGeek Hub
- Windows専用ながら、UIが直感的で設定反映が早くストレスフリー。初心者にも優しい設計。
⇒ 「ゲームだけに特化せず、仕事道具としても質の高いキーボードを探している」ユーザーに理想的。
【4】他製品との比較優位:WootingやSteelSeriesと比べて
項目 | MADE68 Ultra | Wooting 60HE | SteelSeries Apex Pro |
---|---|---|---|
スイッチ形式 | 磁気式(TTC) | 磁気式(Lekker) | 磁気式(Omnipoint) |
RT/AP調整 | ◎(個別設定可能) | ◎(専用ソフトで細かく可能) | △(設定幅が狭く、RT非対応) |
打鍵音・静音性 | ◎(金属鳴きやバネ音なし) | △(やや高音寄り) | △(金属音がやや響く) |
筐体質感 | ◎(アルミ筐体、高級感あり) | ○(プラスチック製) | △(プラ+メタルプレート) |
価格帯 | 約3万円 | 約3.5〜4万円 | 約3.2〜3.8万円 |
⇒ 機能性では遜色なく、質感では明確な優位。価格とのバランスでも非常にコストパフォーマンスが高い。
【5】気をつけたいポイント
- やや打鍵が“硬派”で柔らかさ重視の人には不向きかも
- 高速で正確な打鍵には最適だが、クッション感を求める人にはProや他社製が合う場合も。
- 65%英語配列のため、JIS配列愛用者には慣れが必要
- 日本語入力時の記号キーなどはカスタム対応で解決可能だが、最初は戸惑うことも。
- 無線非対応・チルト角度調整なし
- あくまで“性能重視の有線据え置きモデル”として設計されている。
総合評価
評価項目 | スコア | 備考 |
---|---|---|
性能・機能性 | ★★★★★ | RT・AP・低遅延すべて高水準 |
デザイン・質感 | ★★★★★ | アルミ+PBTのプレミアムな仕上がり |
ソフトウェアの扱いやすさ | ★★★★☆ | UIは良好だが、日本語未対応 |
タイピング快適性 | ★★★★☆ | 軽快だが“やや硬め”の打感 |
コストパフォーマンス | ★★★★★ | この価格帯でこの性能・質感は圧倒的 |
MelGeek 「MADE68 Ultra」レビューの総括
MelGeek 「MADE68 Ultra」は、単にラピッドトリガーやアクチュエーションポイント調整といった高性能な機能を詰め込んだゲーミングキーボードではなく、「性能」「操作性」「デザイン」「快適性」のすべてにおいて極めて高い完成度を誇る製品です。
磁気式スイッチならではの正確かつ高速な入力は、競技性の高いFPSやアクションゲームで明確な差を生み出し、キーが戻り始めた瞬間に再入力が可能になるラピッドトリガーは、キャラコンの精度を大きく引き上げてくれます。
それだけでなく、アルミ合金製の筐体は剛性と高級感を兼ね備えており、PBTキーキャップのしっとりとした手触りもあいまって、長時間の使用でも疲れにくく、打鍵の楽しさを損なうことがありません。
LEDの演出は控えめながらセンスがよく、デスク上の存在感にも優れています。
さらに、設定ソフト「MelGeek Hub」は初心者にもわかりやすいUIで構成されており、ラピッドトリガーやAP調整といった上級機能も迷わず扱うことができます。
これまで数々のラピッドトリガー対応製品を使ってきた筆者にとっても、「MADE68 Ultra」は“機能が揃っている”というだけでなく、“使っていて気持ちがいい”と感じられる数少ないキーボードのひとつでした。
日常的な作業から、勝負をかけたいゲームまで、一台でどちらにも本気で向き合いたい人にこそふさわしい一台です。
触れるたびに満足できる、それがMelGeek 「MADE68 Ultra」の真価です。

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