Pulsar X3 CrazyLightレビュー:実測43g!現代によみがえるG703の操作感とは?

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出典:Pulsar公式

ゲーミングマウス市場において、「軽量化」はもはやトレンドを超え、競技シーンにおける必須条件となりつつあります。
しかし、これまで市場を席巻してきた超軽量マウスの多くは「左右対称型」であり、エルゴノミクス(人間工学)形状を好むプレイヤーにとっては、選択肢が限られていたのが実情でした。

特に、多くのFPSゲーマーに愛された名機、Logicoolの「G703」を使用していたプレイヤーたちは、あの独特なフィット感を維持しつつ、現代のスペックに適応した軽量マウスを長年待ち望んでいました。

その渇望に応えるかのように、Pulsarから登場したのが「X3 CrazyLight」です。

本製品は、Pulsarの人気シリーズであるX2に続く「CrazyLight」の名を冠した第二弾モデル。
その最大の特徴は、G703を彷彿とさせる「ハーフエルゴ形状」でありながら、実測値で約43g〜45gという驚異的な軽さを実現している点にあります。
さらに、最新のポーリングレート8K対応ドングルを同梱し、性能面でも一切の妥協がありません。

「G703の形が好きだが、重さがネックだった」
「つかみ持ちや被せ持ちに最適な、最新スペックの相棒を探している」

もしあなたがそう考えているなら、このマウスは間違いなくチェックすべき一台です。
この記事では、X3 CrazyLightが単なる軽量化モデルに留まらない理由、そして独特な形状がもたらすメリットとデメリットについて、詳細にレビューしていきます。

目次

Pulsar X3 CrazyLightの基本スペックと進化

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出典:Pulsar公式

Pulsarの製品開発におけるスピード感と技術力は、業界内でも高く評価されています。
X3 CrazyLightは、既存の「X3」をベースにしつつも、全く異なるコンセプトで再設計されたハイエンドモデルです。
ここでは、カタログスペックの裏側にある技術的な詳細と、それがプレイヤーにどのような恩恵をもたらすのかを深掘りします。

実測40g台前半を実現した徹底的な軽量化

本モデルの最大のハイライトは、その驚異的な「軽さ」にあります。
エルゴノミクス形状のマウスは構造上、左右非対称のカーブを作るために筐体の表面積が増え、左右対称マウスよりも重くなりやすいという宿命がありました。
しかし、X3 CrazyLightはその常識を物理的なアプローチで打ち破っています。

  • 公称値および実測値:
    • 約43g前後
    • ※個体差によりプラスマイナス1〜2gの変動あり。
  • 軽量化のメカニズム:
    • 内部構造のミニマリズム化:
      マウス内部の補強リブ(骨組み)を必要最小限に留めつつ、強度計算に基づいた配置にすることで、プラスチックの使用量をグラム単位で削減しています。
    • PCB(基盤)の縮小:
      内部の電子回路基盤を極限まで小さく設計し直しています。
      これにより、基盤自体の重量だけでなく、それを固定するためのネジや台座の重さも削減されています。
    • ボトムシェルの肉抜き:
      マウス底面は大胆にカットアウトされており、センサー周りと外周フレームを残して空洞化されています。
      これはハニカム構造とは異なり、大きな開口部を設けることで大幅な軽量化を実現しています。

手に持った瞬間、その見た目からは想像できない「中身が入っていないのではないか」と錯覚するほどの軽さに驚かされます。
これは、競合製品であるSprime PM1と比較しても同等、あるいはそれ以上の軽さを感じさせる水準です。

特筆すべきは、これだけの軽量化を行いながらも、「ビルドクオリティ(剛性)」が犠牲になっていない点です。
一般的に、極端な軽量化マウスは側面を強く押すと「ペコッ」と歪んだり、キシキシと音が鳴ったりすることがあります。
しかし、X3 CrazyLightはトップシェルとサイドシェルの接合精度が非常に高く、激しいフリック操作や、力の入ったクラッチ時(勝負所での力み)でも安心して使用できる堅牢性を維持しています。

8Kポーリングレート対応ドングルの標準同梱

近年のハイエンドゲーミングマウスのトレンドである「高ポーリングレート」にも完全対応しています。
通常、4K(4000Hz)や8K(8000Hz)での通信を行うためには、メーカーを問わず数千円〜五千円程度の別売りの専用ドングルを追加購入する必要があります。
しかし、X3 CrazyLightでは8K対応ドングルが標準で同梱されている点が非常に画期的です。

項目通常のマウス (1000Hz)X3 CrazyLight (最大8000Hz)メリット
通信間隔1ms (ミリ秒)0.125ms (ミリ秒)PCへのデータ送信頻度が8倍になり、入力遅延が理論上8分の1に短縮される。
カーソルの滑らかさ標準的非常に滑らか高リフレッシュレートモニター(240Hz/360Hz/540Hz)での視認性が向上し、マイクロスタッター(微細なカクつき)が減少する。
コスト本体価格のみ本体価格に込み追加投資なしで、プロゲーマーと同等の通信環境を手に入れることができる。

なぜ8Kが必要なのか?
昨今のFPSタイトル(VALORANTやApex Legends、Overwatch 2など)では、モニターのリフレッシュレートが360Hzや500Hzを超える環境が普及し始めています。
モニターが1秒間に多くの画像を描画できるようになると、マウス側の情報更新頻度(ポーリングレート)が低い場合、その差が「飛び」として感じられることがあります。
8Kポーリングレートは、人間の知覚限界を超えた滑らかさを提供し、特にトラッキングエイム(敵を追い続けるエイム)において、吸い付くような操作感を実現します。

X2や通常版X3との違いとパッケージ内容

Pulsarのラインナップには名機「X2」や、スタンダードな「X3」が存在しますが、CrazyLightモデルはそれらとは明確な差別化が図られています。

  • 対 X2(左右対称):
    • X2は万人受けする左右対称型であり、持ち方を選ばない汎用性が売りです。
    • 対してX3 CrazyLightは「右手専用」のエルゴ形状であり、より快適性と安定性を重視するプレイヤー向けです。
  • 対 通常版X3:
    • サイズ展開: 通常版X3にはMediumサイズとMiniサイズの2種類がありますが、CrazyLightは「Miniサイズのみ」の展開となります。
      これは、G703ユーザーが「もう少し小さければ完璧なのに」と感じていた需要にピンポイントで応えるためと考えられます。
    • 防塵対策: 通常版にあった底面の防塵フィルム等は廃止され、徹底的に軽量化に特化しています。
    • バッテリー: 軽量化優先のため、通常版よりも小容量のバッテリー(300mAhクラスと推測されます)を搭載しています。

充実のパッケージ内容物

  • マウス本体: 表面加工の品質チェック済み。
  • 4K/8Kワイヤレスドングル: LEDインジケーター付きで、接続状況やバッテリー残量を視覚的に確認可能。
  • パラコードケーブル: 充電しながらのプレイでもストレスを感じさせない、柔軟性の高いUSB-Cケーブル。
  • Superglide(ガラスソール): ロットや購入時期のキャンペーンによりますが、Pulsarの名作ガラスソールが付属する場合もあります(基本仕様はPTFEソール装着済み)。
  • 各種ステッカー・説明書: Pulsar特有のポップなデザイン。

 

「現代版G703」と評されるPulsar X3 CrazyLight独自のハーフエルゴ形状

X3 CrazyLight Miniイメージ画像
出典:Pulsar公式

X3 CrazyLightを語る上で避けて通れないのが、その独特なシェイプです。
多くのレビュアーやユーザーが「G703の系譜」「G703の正統進化」と評するこの形状には、Pulsar独自の現代的な解釈が加えられています。

つかみ持ち・かぶせ持ちに特化したサイズ感

前述の通り、本機は「Miniサイズ」相当の大きさです。

  • 全長: 約120mm前後
  • : グリップ幅は約60mm前後
  • 高さ: トップの頂点は約40mm前後

「G703 Mini」と表現するのが最もしっくりくるサイズ感です。
Logicool G703hは名作ですが、日本人や手の小さなプレイヤーにとっては「お尻が高すぎる」「全体的に大きすぎて繊細な操作がしにくい」という声もありました。
X3 CrazyLightは、そのG703のアイコニックな握り心地を残しつつ、全体を一回り〜二回り凝縮しています。

推奨されるハンドサイズ

  • 手の長さ:
    17cm〜18.5cm程度の平均的な日本人男性、または女性プレイヤーに最適です。
  • 持ち方の相性:
    • かぶせ持ち:
      手のひら全体(パーム)をマウスの背中に密着させる持ち方。
      小ぶりながらも背の高さ(コブ)が適切にあるため、手のひらをしっかりと預けられ、リラックスした状態で操作できます。
    • つかみ持ち:
      手のひらの下部(付け根)をマウスの後部に当て、指を立てて持つ持ち方。
      サイドのくびれが指をガイドしてくれるため、固定力が非常に高いです。

左右非対称が生み出す吸い付くようなフィット感

このマウスは「ハーフエルゴ(セミエルゴ)」とも分類できる形状をしています。
これは、Razer DeathAdder V3やZOWIE EC2のような「強烈な傾斜を持つフルエルゴ形状」とは一線を画します。

  • トップの傾斜:
    フルエルゴマウスは左が高く右が低い傾斜が急ですが、X3 CrazyLightは比較的緩やかです。
  • クリックボタンの高さ:
    G703では人差し指側が極端に高く設計されていましたが、X3 CrazyLightは左右のボタン高さがほぼ対象に近い設計になっています。
    これにより、人差し指だけが突っ張るような感覚がなく、左右対称マウスから移行しても違和感が少ないです。
  • サイド形状の妙:
    • 左サイド(親指側):
      深くえぐれており、親指が自然と収まるポケットのような形状。
    • 右サイド(小指・薬指側):
      ここが重要です。
      多くのエルゴマウスは右サイドが外側に膨らんでいますが、本機はフラット(平ら)に近い形状をしています。
      これにより、薬指と小指を伸ばして持っても、曲げて持っても窮屈さがなく、指の配置の自由度が非常に高いです。

この「エルゴの快適性と、左右対称の操作自由度の良いとこ取り」をした設計こそが、ハーフエルゴの真骨頂です。

独特なカーブ形状とセンサー位置の関係性

ここが本機の最も「クセ」がある部分であり、購入前に必ず知っておくべきポイントであり、同時にこのマウスのポテンシャルを引き出す鍵でもあります。

ボトム(底面)を見ると一目瞭然ですが、フロント(前方)からリア(後方)にかけて、インサイド(親指側)に向けて大きく「く」の字にカーブしていく形状をしています。
かつてのG703も同様の特徴を持っていましたが、小型化されたX3 CrazyLightはこのカーブの影響をよりダイレクトに受けます。

  • 現象:
    マウスを自然に(真っ直ぐだと思って)握ると、手首の角度に対してセンサーの向きがやや左斜め前を向く、あるいは右斜め後ろを向くような形になりやすいです。
  • エイムへの影響:
    • 水平移動:
      真横にエイムしたつもりでも、カーソルがわずかに右上がり、あるいは右下がりに移動してしまう(斜行する)場合があります。
    • 手首エイム(ワイパー操作):
      手首を支点にして扇状に動かす際、カーブの形状が手首の回転とシンクロすると、驚くほどスムーズな弧を描けますが、合わないと違和感になります。
  • センサー位置:
    センサーはほぼ中央に配置されていますが、前述のカーブ形状により、体感的には「やや前方」あるいは「やや親指寄り」に感じることがあります。

この「センサーアングル」の問題は、最初は違和感を覚えるプレイヤーもいますが、慣れてしまえば「手首を内側に捻り込むような、人間の骨格に自然なエイム」がしやすくなるメリットにもなり得ます。
これを補正するのが後述するソフトウェア機能です。

 

Pulsar X3 CrazyLightの操作性を左右するスイッチ機構とソフトウェア設定

X3 CrazyLight Miniイメージ画像
出典:Pulsar公式

ハードウェアとしての形状だけでなく、内部スペックやソフトウェアもeSports基準の最新仕様にアップデートされています。
ここでは、スペック表だけでは見えにくい詳細な挙動について解説します。

光学式スイッチ採用によるクリック感の向上

メインボタン(左・右クリック)には、Pulsar独自のチューニングが施された光学式スイッチ(Optical Switch)が採用されています。
製造元は高い信頼性を誇るRaesha製である可能性が高いですが、Pulsar特有のカスタマイズが感じられます。

  • チャタリングフリーの構造:
    従来のメカニカルスイッチ(オムロン製など)は金属接点が接触して通電するため、経年劣化による酸化や摩耗で「ダブルクリック(一度押したのに二回反応する不具合)」が発生するリスクがありました。
    光学式は光を遮断することで入力を検知するため、物理的な接点摩耗によるチャタリングが理論上発生しません。
  • 進化したクリック感(フィーリング):
    • 初期の光学スイッチに見られた「ブヨブヨした感触」「底打ち感が不明瞭」という欠点は完全に解消されています。
    • X3 CrazyLightのクリック感は非常にクリスピー(歯切れが良い)です。
      「カチッ」という音が澄んでおり、明確なタクタイル感(クリックした瞬間の感触)があります。
    • 旧世代のX2などと比較しても、より「Solid(剛性感のある)」な押し心地になっており、タップ撃ち(単発撃ち)のリズムが取りやすくなっています。
  • ホイールとサイドボタン:
    • ホイールはエンコーダーのノッチ感(コリコリ感)がやや控えめで、軽快に回るタイプです。連続したジャンプ操作や武器切り替えがスムーズに行えます。
    • サイドボタンは非常に大型で、平べったい形状をしています。親指をスライドさせて押す操作(スライド入力)がしやすく、誤爆もしにくい絶妙な硬さに調整されています。

インストール不要で快適なWebドライバー

Pulsar製品の大きな強みの一つが、「Webドライバー(Pulsar Fusion Software Web version)」への対応です。

従来のようにPCに専用ソフトウェアをダウンロード・インストールする必要がなく、Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザで専用サイトにアクセスし、マウスを接続するだけで設定変更が可能です。

  • メリット:
    • レジストリを汚さない: PCのシステムに不要な常駐ソフトを入れる必要がありません。
    • 場所を選ばない: インターネットカフェやeスポーツ施設、オフライン大会の会場など、自分のPC以外を使用する場面でも、ブラウザさえ開ければ即座にいつもの設定(DPIやボタン配置)に変更可能です。
    • 直感的なUI: 視覚的に分かりやすいインターフェースで、初心者でも迷うことなく設定できます。

エイムを安定させる角度補正機能と設定

前述した「センサーの向きが斜めになりやすい」という形状のクセを解消するために、Webドライバーには非常に強力な「角度補正(Angle Snapping / Rotation)」機能が搭載されています。

  • 機能の詳細:
    センサーの基準角度をソフトウェア上で回転させることができます(例:-30度〜+30度まで1度単位で調整可能)。
  • 活用シナリオ:
    • 自分の自然な持ち方でマウスを真横に振った際、カーソルが「右上がり」に動いてしまう場合 → 角度を「マイナス方向(例:-3度)」に設定します。
    • 逆に「右下がり」になる場合 → 角度を「プラス方向」に設定します。
    • これにより、「自分の持ち方を変えることなく、カーソルの動きを水平に補正する」ことが可能です。これはハーフエルゴ形状のX3 CrazyLightにおいて、最も重要な設定項目の一つと言えます。

その他の重要な設定項目:

  • Motion Sync(モーションシンク):
    PCのフレームレートとマウスの信号送信タイミングを同期させる機能。
    オンにするとトラッキングがより滑らかになりますが、ごくわずかな遅延(ms単位)が発生する可能性があります。
    8K環境では情報の密度が高いため、オフにしても十分滑らかですが、好みに応じてオンオフを切り替えられます。
  • LOD(リフトオフディスタンス):
    マウスを持ち上げた際にセンサーが反応しなくなる距離。
    1mm(低)と2mm(高)から選択可能です。FPSでは誤動作を防ぐため「1mm(低)」に設定するのが一般的です。
  • ターボモード(Turbo Mode):
    センサーの内部スキャンレートを通常の数倍(例:20,000FPS以上)に引き上げるモード。
    激しい動きに対する追従性が向上しますが、バッテリー消費も激しくなります。競技シーンでは「オン」推奨です。
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Pulsar X3 CrazyLightを使用した私の体験談レビュー

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ここからは、実際にPulsar X3 CrazyLightを一定期間、メインデバイスとして使用してみた上での、より具体的で生々しい使用感をお伝えします。
スペックシートやメーカーの宣伝文句には現れない「リアルな手触り」や「運用上の気づき」を中心にまとめました。

ファーストインプレッションで感じた剛性の高さとバランス

箱から取り出して最初に驚いたのは、やはりその軽さです。
「軽い」という言葉では片付けられない、「質量を感じない」レベルの軽快さがあります。

通常、40g台前半まで肉抜きをして軽量化すると、強く握った際にボディがペコペコと歪む感触や、中空構造特有の安っぽい反響音が指に伝わってくるものですが、X3 CrazyLightにはそれが全くありません。

特にサイド部分を親指と薬指で強く挟み込んでもビクともしない剛性の高さは、Pulsarのプラスチック成形技術の高さを物語っています。
重心バランスも素晴らしく、前寄りでも後ろ寄りでもなく、センサー位置の真上に重心があるように感じられ、マウスを持ち上げた際のバランス崩れが一切ありませんでした。

特殊なシェイプによるエイム感覚の変化と適応

私は普段、Logicool G Pro X Superlightなどの「左右対称マウス」を使用することが多いのですが、このハーフエルゴ形状への移行は想像以上にスムーズでした。
しかし、センサー角度のクセは、最初の数時間は明確に感じました。

  • 初期の違和感:
    VALORANTの射撃場でボット撃ちをしている際、水平に視点移動をしてリコイルコントロールをしているつもりでも、クロスヘアがわずかにターゲットからズレていく感覚がありました。
  • 解決策と適応:
    Webドライバーを開き、「Rotation(角度補正)」を「-2度」に設定し、さらに持ち方を少しだけ「被せ気味」に深く持つように修正しました。
    すると、パズルのピースがハマったかのように、吸い付くようなエイムが可能になりました。

特に、G703を使っていた頃の「小指と薬指でマウスの右側面を包み込むように持つ」感覚が蘇り、トラッキングエイム(追いエイム)の安定感が飛躍的に向上しました。
Apex Legendsのような、敵を長く追い続ける必要があるタイトルでは、この形状の恩恵を強く感じます。

コーティングのグリップ力と汚れやすさの実感

Pulsarのマウスコーティングは年々進化していますが、X3 CrazyLightの表面加工は非常に優秀です。

乾燥した手で触るとサラサラとしていますが、ゲームプレイ中に手汗をかき始めると、湿気に反応してグリップ力が増すような「しっとり系(チョーク調)」の質感に変化します。
多くのユーザーにとって、別途グリップテープを購入して貼る必要はないレベルの完成度です。

ただし、ブラックモデルを使用する場合、皮脂汚れや指紋はかなり目立ちます。

1〜2時間のプレイ後には、クリック部分や掌が当たる部分に脂のテカリが見え始めます。
プレイ後にマイクロファイバークロスで拭き取るのが面倒な方や、常に見た目の清潔感を重視する方は、汚れが目立ちにくいホワイトモデルを選択することを強くおすすめします。

バッテリー持ちと省電力設定のリアルな運用

軽量化のためにバッテリー容量が物理的に削られているため、バッテリー持ちに関しては「良くはない」というのが正直な感想です。
特に、付属の8Kドングルを使用して高ポーリングレートで使用する場合、消費電力は跳ね上がります。

  • 4K/8K設定時の実感:
    1日4〜5時間ゲームをプレイすると、2日目にはバッテリー残量が心もとなくなります(おそらく20時間〜30時間程度の連続使用が限界かと思われます)。
  • 1000Hz設定時:
    通常のマウスと同等程度には持ちますが、それでもG Pro X Superlightのような「数週間充電いらず」というスタミナはありません。
  • 私の運用法:
    Webドライバーで「低電力モード」の設定を行い、操作していない時間が1分続いたらスリープに入るように設定。
    また、就寝前には必ず付属のパラコードケーブルを接続して充電する習慣をつけました。
    ケーブル自体が非常に柔らかく、充電しながらのプレイでもケーブルの抵抗感をほとんど感じないため、有線マウスとして使ってもストレスがないのは救いです。

底面の肉抜き仕様によるメンテナンス性の懸念

裏面(ボトムシェル)は大胆に肉抜きされており、PCB(基盤)の一部が露出している箇所があります。

軽量化の代償として、ホコリ、ペットの毛、お菓子のカスなどの侵入リスクは避けられません。

以前の通常版X3には薄い防塵フィルムが貼られていましたが、CrazyLightではグラム単位の軽量化のためにそれが撤去されています。
私は猫を飼っているのですが、マウスパッド上に落ちた猫の毛がセンサーホール付近に入り込まないか少し神経を使いました。
エアダスターを常備し、定期的に底面をブローして清掃するなどのケアが必要になると感じました。

体験談の総括

総じて、X3 CrazyLightは「尖った性能」を持つレーシングカーのようなマウスです。

バッテリー持ちやメンテナンス性、汚れやすさといった「日常の利便性」を多少犠牲にしてでも、「圧倒的な軽さ」と「形状によるエイムパフォーマンスの向上」を極限まで追求したいプレイヤーにとっては、これ以上の選択肢はないかもしれません。

私自身、この軽さとフィット感に一度慣れてしまった後、60g台の通常のマウスに戻した際、まるで重りを引きずっているかのように「重い、止まらない」と感じてしまうほどでした。
それほどまでに、操作感における中毒性のあるデバイスだと断言できます。

 

Pulsar X3 CrazyLightに関するよくある質問(Q&A)

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Pulsar X3 CrazyLightに関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

Logicool G703と比べてサイズ感はどうですか?全く同じ大きさですか?

いいえ、G703よりも一回りから二回り小さい「Miniサイズ」相当です。 形状のベースはG703に非常に似ていますが、X3 CrazyLightは全体的にギュッと凝縮されたサイズ感になっています。「G703が少し大きすぎて持ちにくい」と感じていた方にはジャストフィットする可能性が高いですが、「G703のあの大きさが好き」という方には小さすぎて窮屈に感じる場合があります。

重量が40g台と非常に軽いですが、強度は大丈夫ですか?

驚くほど頑丈で、剛性は非常に高いです。 徹底的な軽量化が行われていますが、Pulsarの設計技術により、サイドを強く握ってもたわんだり、軋んだりすることはほとんどありません。ビルドクオリティに関しては、現行のゲーミングマウスの中でもトップクラスの堅牢さを誇ります。

バッテリー持ちが悪いという噂を聞きましたが、実際どうですか?

一般的なゲーミングマウスに比べると、バッテリー持ちは短めです。 軽量化のためにバッテリー容量が小さくなっていることに加え、付属の4K/8Kドングルを使用して高ポーリングレートで使用する場合、消費電力は激しくなります。 1日中ゲームをする場合は、2〜3日に一度の充電、あるいは毎日の充電が必要になる可能性があります。こまめな充電が面倒な方は、ポーリングレートを1000Hzに落としたり、省電力設定を活用することをおすすめします。

8Kポーリングレートは誰にでも必要ですか?

必ずしも全員に必要ではありませんが、高リフレッシュレートモニターを使用している場合は恩恵があります。 240Hzや360Hz以上のモニターを使用している環境であれば、カーソルの動きがより滑らかになり、マイクロフリックの精度向上が期待できます。また、8Kドングルが「標準で付属している」ため、追加費用なしで最高スペックを試せるのは大きなメリットです。ただし、PCのCPU負荷も高くなるため、ある程度ハイスペックなPC環境が必要です。

「Pulsar Xlite V3」と迷っています。どう違いますか?

「傾斜の強さ」と「持ち方の自由度」が異なります。

  • Xlite V3: 「フルエルゴ」形状です。傾斜が強く、かぶせ持ちに特化しています。サイズ展開も豊富です。
  • X3 CrazyLight: 「ハーフエルゴ」形状です。傾斜が緩やかで、左右対称マウスに近い持ち方も可能です。サイズは小さめのみです。 「ガッツリかぶせ持ちたい」ならXlite V3、「つかみ持ちや、少し自由度が欲しい」ならX3 CrazyLightがおすすめです。

マウスを振るとカーソルが斜めに動く気がするのですが不良品ですか?

不良品ではありません。このマウス特有のセンサー位置と形状による「クセ」の可能性があります。 X3 CrazyLightは独特のカーブ形状をしているため、持ち方によってはセンサーの向きが少し斜めになることがあります。 PulsarのWebドライバー(ソフトウェア)にある「角度補正(Rotation)」機能を使って、-2度や+2度など微調整を行うことで、水平に動くように補正することができます。

別途ソフトウェアのインストールは必要ですか?

インストールは不要です。 ブラウザ上で動作する「Webドライバー」に対応しているため、サイトにアクセスしてマウスを接続するだけで設定変更が可能です。PCに余計なソフトを入れる必要がなく、非常に手軽です。

グリップテープは必要ですか?

必須ではありませんが、汚れ防止やさらにグリップ力を高めたい場合はおすすめです。 純正のコーティングも非常に優秀で滑りにくいですが、特にブラックモデルは手汗や皮脂汚れが目立ちやすい傾向があります。汚れが気になる方や、手汗を多くかく方は、Pulsar純正の「Supergrip」などを貼ると快適に使用できます。

光学式スイッチのクリック感は、メカニカルスイッチと比べて違和感ありますか?

違和感はほとんどなく、むしろ「歯切れが良い」と感じる人が多いでしょう。 初期の光学式スイッチによくあった「ブヨブヨした感触」は、このモデルでは完全に解消されています。「カチッ」という明確なクリック音とタクタイル感(クリック感)があり、メカニカルスイッチから移行してもすぐに馴染めるクリスピーな押し心地です。チャタリング(ダブルクリック不具合)が起きないという大きなメリットもあります。

底面が大きく肉抜きされていますが、ホコリやゴミの侵入は気になりますか?

環境によっては注意が必要です。 以前のモデルにあった防塵フィルムが削除されているため、基盤の一部が露出しています。通常使用では問題ありませんが、ペットの毛が多い部屋やホコリっぽい環境で使用する場合は、センサー周りや内部にゴミが入る可能性があります。定期的にエアダスターで吹くなどのメンテナンス推奨です。

左利きでも使えますか?

「LHD(左利き用モデル)」を選べば快適に使えます。 このマウスは左右非対称のエルゴ形状なので、右手用モデルを左手で使うのは困難です。しかし、Pulsarは珍しく「左利き専用モデル(LHD)」もラインナップしています。左利きの方は必ず「LHD」と記載されたモデルを購入してください。

充電しながら有線マウスとしてゲームをプレイできますか?

はい、非常に快適にプレイできます。 付属しているUSB-Cケーブルは、非常に柔らかく柔軟性があります。充電中にマウスを動かしてもケーブルの突っ張りや抵抗感をほとんど感じないため、バッテリー切れの際もストレスなく試合を続行できます。

PS5やXboxなどのコンソール機でも使えますか?

基本的な動作は可能ですが、詳細な設定にはPCが必要です。 USBドングルを挿せばマウスとして認識され使用できます。ただし、DPI(感度)の細かい調整やボタン配置の変更、ポーリングレートの設定などは、一度PCのブラウザ(Webドライバー)で設定してマウス本体のオンボードメモリに保存する必要があります。8Kポーリングレートはコンソール機では対応していない場合が多いため、1000Hzでの使用が推奨されます。

ホイールの回し心地は重いですか?軽いですか?

比較的「軽め」で、スムーズに回るタイプです。 ガリガリとした強いノッチ感(区切り感)はなく、弱い力で連続して回せる軽快なホイールです。Apex Legendsのタップストレイフや、武器切り替えなどを多用するプレイヤーには使いやすい設定になっていますが、誤操作を気にする方には少し軽すぎると感じるかもしれません。

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Pulsar X3 CrazyLightレビューのまとめ

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この記事では、Pulsar X3 CrazyLightについて詳細にレビューしてきました。
最後に、このマウスの導入を検討している方に向けて、要点を整理します。

圧倒的な軽さがもたらす操作性のメリット

40g台前半という軽さは、単なる数値上のスペックではありません。
長時間プレイ時の手首や腕への疲労軽減はもちろん、FPSにおいて最も重要な「初動の速さ」と「切り返し(マイクロフリック)の精度」向上に直結します。
物理法則として、軽い物体の方が慣性が少なく、動かしやすく止めやすいのは明白です。
この軽さは、あなたの反応速度をデバイス側から底上げしてくれる強力な武器となります。

購入前に考慮すべき形状と持ち方の相性

このマウスは「誰にでも合う」ものではありません。
以下の特徴を理解した上で選ぶ必要があります。

  • ベストマッチ:
    • Logicool G703を愛用していたが、重さに不満があったユーザー。
    • かぶせ持ち、つかみ持ちを主体とするプレイヤー。
    • 手の大きさが「平均〜やや小さめ」の人。
  • 注意が必要な層:
    • 完全な左右対称マウス(G Pro X SLやViper V3など)の操作感しか受け付けない人。
    • つまみ持ち特化の人(左サイドの深いくびれが指の位置を制限する場合があるため)。
    • 手が非常に大きい人(Miniサイズのみの展開であるため、窮屈に感じる可能性が高い)。

8K対応を含めたコストパフォーマンス評価

実売価格16,000円台(税込)という価格設定で、最新のPixArt社製フラッグシップセンサー、光学式スイッチ、そして本来別売りの4K/8Kドングルまで付属している点は、市場破壊的です。
他社製品であれば、ドングル込みで2万円〜2万5千円を超えてくるスペックであり、コストパフォーマンスは現行のハイエンドワイヤレスマウスの中でトップクラスと言えます。

左利きユーザーにも優しいLHDモデルの展開

通常、エルゴノミクスマウスは右手専用として設計されますが、PulsarはこのX3 CrazyLightにおいて左利き用モデル(LHD: Left Handed Design)も展開しています。

左利きのゲーマーにとって、最新スペックかつ軽量なエルゴマウスの選択肢は極めて少ないのが現状です。
その中で、右手用と全く同じスペック・形状(反転)のマウスが選べるというのは、Pulsarというメーカーの多様性への配慮を感じさせる素晴らしい点です。

競合する軽量エルゴマウスとの比較

比較対象特徴・違い
Pulsar X3 CrazyLight約43g。G703ベースのハーフエルゴ。8Kドングル付属。コスパ最強。
Sprime PM1約43g。形状は非常に近いが、背がやや高く、左サイドのえぐれが穏やか。価格や入手性で劣る場合がある。
Logicool G703h約95g。形状のオリジンだが、重量は倍以上。スペックも一世代前。無線充電(POWERPLAY)対応などの利便性は上。
Pulsar Xlite V3約50g〜。X3より傾斜が強い「フルエルゴ」。サイズ展開が豊富(Mini/Medium/Large)。完全なかぶせ持ち派はこちらの方が合う可能性あり。

Pulsar X3 CrazyLightレビューの総括:どのような人におすすめか

結論として、X3 CrazyLightは以下のようなプレイヤーに強くおすすめします。

  1. G703の形状が人生のベストマウスだが、重さだけがネックで移行先を探していた「G703難民」の方。
  2. 安価に追加投資なしで、プロと同じ4K/8Kポーリングレート環境を構築したい方。
  3. かぶせ持ち・つかみ持ちプレイヤーで、マウスと手が一体化するようなフィット感を求めている方。
  4. バッテリー充電の手間よりも、試合でのパフォーマンス(軽さと操作性)を最優先する競技志向の方。

Pulsar X3 CrazyLightは、長年ゲーマーたちが抱いていた「G703のような手に馴染む快適な形状のまま、現代基準の超軽量スペックを実現してほしい」という切実な願いに対する、一つの到達点と言えるでしょう。
40g台前半という驚異的な軽さと、かつての名機を現代的に再解釈したハーフエルゴノミクス形状の融合は、単なる懐古趣味ではなく、高速化する現代のFPSシーンで勝ち抜くための合理的な進化そのものです。

8Kポーリングレート対応ドングルを標準で同梱するというコストパフォーマンスの高さや、極限の軽量化とトレードオフになりがちな剛性の確保など、Pulsarというメーカーの技術力とゲーマーに対する本気度が随所に感じられます。
もちろん、バッテリー持続時間の短さや底面の肉抜き構造といった、使用環境や運用での工夫を求める側面は確かに存在します。
しかし、それらの些細なハードルを補って余りある圧倒的な操作性と、指先とカーソルが直結するような快感がこのマウスにはあります。

特に、自分の手に馴染む持ち方を見つけ、独自のセンサー挙動を完全に掌握した瞬間、このマウスはあなたのエイム能力を限界まで引き上げる唯一無二の武器へと化けるはずです。
過去の伝説を塗り替え、軽量エルゴマウスの新たなスタンダードを築く可能性を秘めたこのX3 CrazyLightを、ぜひあなたのその手で体感してみてください。

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